2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580097
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
宮崎 安将 独立行政法人森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (40343800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 真也 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (10399694)
|
Keywords | 応用微生物 / シグナル伝達 / 生体分子 / 農林水産物 / 発生・分化 / きのこ / シイタケ / 子実体 |
Research Abstract |
・新規光受容体遺伝子Le.cryの単離と同定 シイタケの子実体形成には青色光が必要である。そこで、担子菌では初となる青色光受容体クリプトクロームの遺伝子(Le.cry)を単離した。本遺伝子産物(Le.CRY)はクリプトクローム・ダッシュ・ファミリーに相同性を示し、特徴的なDNAフォトリアーゼ領域とFAD結合部位を有していた。 分化過程における、シイタケの光受容体遺伝子phrA、phrB、Le.cryの転写発現解析の結果、phrAは構成的であり、phrB菌糸では発現がみられなかった。一方、Le.cryは菌糸において最も発現しており、Le.cryが介する新たな青色光シグナル伝達経路が子実体形成前段階で働くことが示唆された。 ・子実体形成過程における発現タンパク質の網羅的解析 きのこの子実体形成メカニズム解明のため、シイタケの全タンパク質の二次元電気泳動による網羅的解析を行った。 各組織の全タンパク質を等電点電気泳動(pH3-10)及びSDS-アクリルアミド電気泳動を行った結果、タンパク質の多くは酸性領域に存在し、分化段階においてタンパク質の発現パターンにさほど大きな相違はないことが明らかとなった。酸性領域におけるリン酸化タンパク質染色、糖鎖付加タンパク質染色も行った結果、子実体原基と成熟子実体のタンパク質パターンは非常に似通っている一方、栄養増殖菌糸体のみ非常に顕著に異なることが明らかとなった。子実体原基及び成熟子実体に4個、栄養増殖菌糸体に2個の特異的糖鎖付加タンパク質が検出された。これらスポットのLC-MS分析及びMASCOT解析によりタンパク質を同定した結果、子実体形成のシグナル伝達に関わるタンパク質や重要な代謝に関わる酵素などであることが分かった。
|
Research Products
(7 results)