2010 Fiscal Year Annual Research Report
森林性鳥類が局所及び景観スケールでの人為的環境改変から受ける影響
Project/Area Number |
22580155
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
柳川 久 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70210292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 まゆら 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (10466807)
|
Keywords | 孤立林 / メタ個体群 / 多様性保全 / 森林管理 |
Research Abstract |
本年度は、北海道十勝の農耕地帯に残存する孤立林の鳥類多様性が、林内の植生構造及び林周辺の景観構造の環境要因から受ける影響を評価した。夏期に森林を営巣・繁殖場所として利用する鳥類を対象に、5月~6月の間多様性調査を19孤立林で行った。各林の中心で半径25mのプロットを1つ設置し、プロットの中心で早朝30分間待機してプロット内に出現した鳥類をなるべく種レベルで記録した。同時にプロット内の下層植生構造や立木密度、、林冠閉鎖度等も調査した。また地理情報システム(GIS)を用いて、調査地全体約1000km^2内の土地利用デジタル地図を作製し、調査森林周辺に分布する他の森林、草地、河川などの面積の率を算出した。 調査期間中、34種の鳥類が記録された。これらを樹洞営巣性(シジュウカラ、アカゲラ等)、地表営巣性(アオジ、エゾセンニュウ等)、樹上営巣性(アカハラ、コサメビタキ等)という3つのグループにわけ、各グループの個体数を説明する局所・景観要因を特定するための統計解析を行った。その結果、3グループすべてで周辺の景観構造の重要性が示された。具体的には、樹洞営巣性鳥類の個体数は周辺の森林率が高いほど多くなり、残り2つのグループの個体数は周辺の草地率が高いほど多くなることが分かった。これ、らの結果から、孤立林に生息する鳥類多様性には周辺の景観構造が影響を及ぼしており、また重要となる景観の要素は複数あることが分かった。
|
Research Products
(1 results)