2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストカスティックモデルを用いた木質構造の地震被害予測に関する研究
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22580182
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安村 基 静岡大学, 農学部, 教授 (40143408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 滋彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40115449)
小林 研治 静岡大学, 農学部, 教授 (90576240)
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Keywords | 建築構造・材料 / 木質構造 / 耐震 / 確率 / モデル化 |
Research Abstract |
木材の繊維平行方向応力を受ける木質構造ボルト接合部を対象とし、木材の支圧強度の分布を正規分布、ボルトの降伏強度を一様分布と仮定し、これらの分布からランダムに値を取り出して降伏耐力の計算を行うことを10000回繰り返すことにより、降伏モードの出現確率および降伏耐力の確率密度を得た。また、木材の繊維直交方向応力を受ける木質構造ボルト接合部を対象とし、かつ裂破壊パラメータおよびせん断強度の分布を正規分布と仮定し、同様の方法により、破壊モードの出現確率および終局耐力の確率密度を得た。このような手法により、材厚・ボルト径比を変化させて降伏耐力を計算した結果、降伏耐力の5%下限値は、接合形式、材厚・ボルト径比、繊維方向に関わらず学会規準値よりも高い値を示し、また高位の降伏モードの出現確率が0.95となる材厚・ボルト径比は学会規準値と比較的よく一致することがわかった。一方、縁端距離・材せい比を変化させて繊維直交方向応力による木材のかつ裂・せん断による破壊モードの出現確率を計算した結果、木材のかつ裂・せん断破壊確率が0.05以下となる縁端距離・材せい比は、学会規準値よりも大きい値を示し、学会規準は繊維直交方向の破壊モードを正確には予測していないことがわかった。これより、繊維平行方向応力を受ける曲げ降伏型接合部における耐力、降伏モードは学会規準によりよく推定できるのに対し、学会規準は繊維直交方向の破壊モードを正確には予測しておらず、設計法の検討が必要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)