2012 Fiscal Year Annual Research Report
生物行動特性を考慮したクロマグロ沖合型養殖施設の最適デザイン
Project/Area Number |
22580214
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高木 力 近畿大学, 農学部, 教授 (80319657)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | クロマグロ / 養殖生簀 / 沖合養殖 / 遊泳行動 / カルバックライブラー情報量 |
Research Abstract |
沖合域設置型のクロマグロ養殖施設は,耐潮流,耐波浪性を有するほかに,養成魚が安定して生活できる空間が提供される機能も具備される必要がある。本年度は養成魚に養成環境が与える影響を評価するため,長期間計測できる小型記録計と小型超音波発信器を1+齢となる養殖クロマグロにそれぞれ5個体ずつ装着し,その行動と養成環境との関係を評価した。また,直径50mの沖合設置された生簀内の養成空間と生簀内水温の変化を記録するため,生簀の天井網,底網,側面網に深度センサを装着し,網地の吹かれと環境水温を記録した。 発信器を装着した個体のうち3個体の遊泳行動情報が記録された。また1個体の行動記録計の回収に成功し約1ヶ月の行動記録を取得した。 2013年の1年間に5m以上生簀の底網が吹け上がったのは計220回以上にも及んだ。特に大きな吹け上がりは夏期の7,8月期に集中しており(平均60回/月),筏浮体が損壊する恐れのある季節風の強い冬期に比べて,風浪が少なく静穏な状態が多い夏期のほうが,生簀の動的変化が大きかった。 生簀の吹け上がりによって,養成魚は遊泳空間が狭められ,吹け上がり時は底網の近傍で遊泳することが認められた。夜間の吹け上がり時には網地の視認性は低下するものと予測されたが,網地への接触などにより斃死する個体は認められなかった。また,設置海域には1℃以上低い冷水塊が進入することがしばしば観察された。このとき養成魚は冷水塊を避けるように上層で遊泳する行動をとることが観察された。 1秒ごとに記録された遊泳深度情報から,環境変動が個体行動に与える影響をカルバックライブラー情報量を算出することにより評価したところ,大規模な生簀網の吹け上がりにより情報量が明確に大きくなることが示された。これにより,単純な遊泳深度情報だけで,環境変動による個体の行動特性の変化を抽出できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)