2012 Fiscal Year Annual Research Report
離島農村地域における新たな都市農村交流ビジネスの展開と地域内経済効果の計測
Project/Area Number |
22580253
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
内藤 重之 琉球大学, 農学部, 教授 (30333397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 高志 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (40340583)
仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 名誉教授 (70180312)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
大西 敏夫 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90233212)
細野 賢治 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (90271428)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 農村社会 / 離島農村 / 都市農村交流 / 民泊 / 地域内経済効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、離島農村における宿泊体験学習(修学旅行生の民泊)の受入による都市農村交流ビジネスの取り組みに焦点を当て、その実態と課題およびそれによる経済効果を明らかにし、今後の展開方向について考察することである。 最終年度に当たる今年度は、伊江島観光協会民泊部会とぐすくべグリーンツーリズムさるかの会の事務局および会員に対する補足調査、新たに民泊を始めた宮古島観光協会および旅行業者へのヒアリング調査、修学旅行で伊江島を訪れ、民泊を行った広島県内の高校の教師へのヒアリング調査と生徒へのアンケート調査を実施し、それらの結果を分析するとともに、伊江村における民泊事業の地域内経済効果を計測した。 離島農村における民泊活動は、農村地域に経済効果をはじめとする様々な効果を生むだけでなく、民泊を体験した修学旅行生に対する教育効果も大きいことが明らかとなった。ただし、安全性の確保や受入組織間の調整の必要性などの課題もみられる。 また、沖縄県伊江村における民泊事業の地域内経済効果は以下のように推定された。村内観光消費の1単位増加は、生産額ベースで1.00単位の直接効果と0.10単位の間接効果、0.30単位の誘発効果を伊江村内にもたらす。すなわち、生産額ベースの観光乗数は1.40である。産業の多様性に乏しい離島における結果と考えれば、この経済波及効果は大きいと言える。波及効果の特徴は、誘発効果が大きい点である。受入民家の所得率は非常に高く、民泊はきわめて労働集約的なビジネスである。労働集約的ビジネスであればあるほど、その売上の大きな部分が所得として地域内に歩留りし、消費に回る。そのため、誘発効果が大きくなるとともに、経済効果の地域外への漏出も小さくなるのである。以上の波及効果を考慮すれば、民泊体験型観光が伊江村内にもたらす経済効果は、生産額ベースで約8億円、所得ベースで約5億円と推定される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)