2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22580257
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
四方 康行 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (20178859)
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Keywords | 農協の営農指導体制 / 公的普及組織 / コンサルタント事業 / 普及活動 / 農業普及組織 / 農業会計 / 農業事務所 / 経営部門計算 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、日本における農業経営の普及活動の改善のための方策として、具体的な経営指導内容としての経営経済的な観点から研究した。 まず、日本においては、農協の営農指導体制ならびに国・都道府県の公的普及組織の問題点を明らかにし、さらに、民間や各諸団体のコンサルタント事業において、どのような経営指導が行われているのかを明らかにするとともに、農協や公的普及機関との比較から、今後の農業経営における普及活動の方向性を検討した。 さらに、昨年度は予備調査として行ったドイツでの調査を本年度も継続して行った。ドイツでは、昨年度は農業普及機関や全国的な農業普及組織を中心に訪問し、全体的な概要を把握することに努めたが、本年度においては、その発展において、農業者と農業普及機関、普及組織、民間コンサルタント等との関係を中心において実態調査を行い、今後の改善策を検討した。 それらの研究成果は、現在印刷中であるが、稲本志良他編著『農業経営発展の会計学』(昭和堂、2012年近刊)の第1部「農業会計学の新潮流」(小野博則・四方康行編集責任)の第1章「農業法人経営の会計と経営分析」、第II部「海外における農業会計と普及制度」(四方康行・横溝功編集責任)の第2章「ドイツにおける農業普及制度と農業会計」においてまとめた。ドイツの農業普及の担い手による分類では、その活動を、政府等公的組織、民間、農業会議等組織の3つに分け、その代表的な州を取り上げ、実施主体と財政面の2軸に対して、公的・民間のカテゴリーを導入し、4つのマトリックスに整理した。完全な公的普及は少なくなり、民営化へ移行していることが明らかになり、普及活動における農業会計との関連についても検討した。特に、南部型のバイエルン州では、農業者、農業事務所、会計事務所、生産者組織の連合による結合的普及が行われている。その中でも、経営部門計算の重要性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツでの調査、日本での調査等順調に進んでいるが、学会誌等への論文の投稿がやや少ない状況であり、今後の課題として残っている。また、ドイツと日本の比較を基本的な研究ベースとしているが、まだ、それに基づいた農業経営における普及活動の改善策へ提出には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「11.現在までの達成度」において、残された課題の解決のために、今後さらに、研究の深化を図り、学会誌等に投稿論文を発表していく。
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