2012 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける育種研究の展開と遺伝資源の経済的活用に関する研究
Project/Area Number |
22580268
|
Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
須田 文明 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70356327)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 地理的表示 / 遺伝資源 / フランス / 景観 / 味の景勝地 / ツーリズム / 文化遺産 / 食品 |
Research Abstract |
フランスは、パリ盆地及び北部での耕種部門、北西部のブルターニュなどの集約型畜産を中心に、高い価格競争力を持った農業を展開する一方で、ボルドーやブルゴーニュの高級ワイン、中央部や南部での高品質産品(チーズやフォアグラなど)は、フランスの美食的イメージを高めている。近年の経済グローバル化の流れは、生産性向上による競争力強化と並んで、消費者の「ホンモノ」志向と関連した農産品や農村の文化遺産化を促している。フランスの美食的料理がユネスコの無形文化遺産に登録されたのには、このような背景があろう。農産品の文化遺産化の動向は、産品の特異性に基づいており、本研究課題で対象とした遺伝資源がこうした特異性の重要な構成要素をなしている。 他方、地理的表示を通じた製品差別化は、高価格での販売を可能とするが、AOC内部での競争激化は、こうした価格プレミアムを消失させるかもしれない。こうした地理的表示産品が持続的に高い付加価値を得るための条件について検討することも重要である。本年度は「味の景勝地」制度に着目し、地域特産品を通じたツーリズム振興の仕組みについて検討した。 地理的表示産品の高付加価値化手法には二つのアプローチが考えられよう。一つは、ボージョレ・ヌーヴォーのように、単品の地理的表示産品を地域外に輸出することで高価で販売する方法である。他方で、地域に特徴的な産品と、その景観との結合が醸成する地域イメージと関連させて、その他の複数の産品やサービスとの組み合わせ全体を高付加価値化させることができる。その際、こうした様々な産品を、統一した地域イメージを中心に束ねるのがツーリズムである。 フランスのニヨンのオリーブの事例では、この産品がリーダー産品として、その他の産品やサービスと結合して、オリーブに象徴される景観や地域イメージから産品全体が高付加価値化の利益を引き出していることが明らかにされている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)