2011 Fiscal Year Annual Research Report
建設廃棄物を用いた透水性セメント複合材に関する研究
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22580271
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
保世院 座狩屋 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (10314139)
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Keywords | 盛土堤防 / 補強材 / ダイラタンシー / ジオグリッド / 板セメント複合材 / ヤング係数 / メッシュ~モルタル / 解析研究 |
Research Abstract |
建設廃棄物を用いた薄板セメント複合材のヤング係数に関する室内実験を行い、解析研究による比較検討した。解析研究及び実験データによる薄板セメント複合材の曲げヤング係数に関する新たな式を提案した。薄板セメント複合材の曲げヤング係数はモルタルのヤング係数やメッシュ~モルタルヤング係数差の関数であることが分かった。本論文で提案した式で得られた結果は、一般的な式より安全であることが分かった。解析結果は実験結果とほぼ一致していることが明らかとなった。 盛土堤防補強に用いるジオグリッドの引き抜き実験におけるはダイラタンシーは盛土堤防の設計に関する重要なパラメターである。種々の補強材を用いて一連の引き抜き実験をおこない、土~補強材間のダイラタンシー特性を調べた。日本及び海外によく利用されている補強材、すなわち、ジオシンセティックス「スタビランカ」及びジオグリッド「フォートラック」を用いた。結果の妥当性を比較検討するために、全ての引き抜きテストを6つの垂直応力下で実施した。引き抜き実験で得られたダイラタンシー特性パラメーターを垂直変位として数字化した。その結果、フォートラックは粘性土で大きいダイラタンシー特性を持つ及びスタビランカは砂質土で大きいダイラタンシー特性を持つことが分かった。4つ条件の中で、フォートラックは粘性土で最も高いダイラタンシーを示すことが分かった。一般的には土粒子間のダイラタンシーがよく変動するに対し、土~補強材間のダイラタンシー特性は一定値を保たれ、補強材による改善が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は査読審査付き論文は5編、編著書は1冊、口頭発表論文は国際学会で7件である。その題名は「薄板セメント複合材のたわみヤング係数モデルの実験検証;農業道路や堤防の土~補強材間のダイラタンシー特性;河川堤防崩壊-地盤性質と安定解析;土~補強材間相互作用の評価に関する小型万能試験機の開発;地盤材料、建設材料及び環境等に関する研究」である。
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Strategy for Future Research Activity |
建設廃棄物を用いた透水性セメント複合材に関する研究を継続し、実際に応用するためには以下の研究を進めると共に国際的に評価されている学術雑誌に発行することを、当面の方策である。 ●種々の建設廃棄物を利用したセメント複合材表面の摩擦抵抗試験に関する研究を実施し、セメント複合材パネルの粗さや粘着力を求めること。 ●種々の建設廃棄物材料を用いた各種構造物に対する設計手法を確立すること。 ●信頼性の高いセメント複合材の最適設計及び有効利用工法を確立すること。
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Research Products
(13 results)