2010 Fiscal Year Annual Research Report
島しょ部の地域特性を考慮したかんきつ類収穫補助ロボットの開発
Project/Area Number |
22580300
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 美博 松江工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (80321470)
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Keywords | 農業工学 / かんきつ類 / 農作業支援ロボット |
Research Abstract |
我が国の一般的な果物であるかんきつ類は,果樹の特性上,陽当たりがよく水はけのよい地域で栽培されている.特に瀬戸内海の島しょ部では,勾配の急な山の斜面に果樹園が作られており,他の地域と比較しても環境が厳しい.また,他の農業分野と同様に従事者の高齢化や後継者の不足が問題となっている. かんきつ類の栽培では,さまざまな作業があるが本研究では果実の収穫作業の支援を対象とする.果実の収穫作業は,1.収穫に適した果実を選別し,2.鋏を用いて摘果する.3.収穫した果実を一端手元のカゴに入れ,4.カゴがいっぱいになれば,5.より大きな果実を収納する収穫用のコンテナが置かれた場所までカゴを運搬し,6.カゴの果実をコンテナへ移した後,果樹へ移動し,7.1~6.の作業を繰り返す. これらの作業において,1~3.の作業は果実の認知・判断・把持・摘果・収納といった高度な情報処理と繊細な作業を必要とする.その後,5~6の作業では勾配の急な斜面を果実で満たされたカゴを運搬するため,重労働で危険な作業である.本研究では,特に5~6の作業を支援するロボットの開発を目指す. 平成22年度は,瀬戸内海島しょ部の果樹園の視察を行って,具体的なロボットの作業環境を確認した.その結果,○もっとも急な斜面の斜度は,40゜程度である.○コンテナーなどが集められた場所から最も離れた果樹までの距離は30m程度である.○果樹園(段々畑)の一段の幅は最少1m程度であるが,2m程度のものが一般的であることを確認した.これらの結果をもとに支援ロボットの設計を行い,製作中である.
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