2012 Fiscal Year Annual Research Report
既存抗真菌薬の阻害活性増強作用剤citridoneAの全合成および創薬研究
Project/Area Number |
22590012
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
針谷 義弘 北里大学, 薬学部, 名誉教授 (30095509)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Citridone A / 全合成 / 深在性真菌症 / 抗真菌剤 / 構造活性相関研究 / 創薬研究 |
Research Abstract |
近年問題となっている深在性真菌症の増加と重篤化に対して新たな抗真菌剤を開発することが極めて難しい現状の中、既存の抗真菌薬で薬剤耐性化が問題となっているアゾール系薬剤の耐性化機構を阻害できる化合物が存在すれば、併用投与することにより既存のアゾール系薬剤の阻害活性を大きく増強させることができるという考えのもと、当大学において新規天然物の探索研究が行われた結果、微生物代謝産物より新規天然有機化合物 citridone A (1) が発見された。Citridone A (1) は、5-phenyl-α-pyridone 環、ジヒドロフラン環、シクロペンテン環が隣接し、四級炭素を一つ含んだ三連続の不斉炭素が存在する三環性の特徴的な構造を有している。現在のところ 1 の詳細な作用機作は不明である。演者は興味深い生理活性と構造を有する 1 を標的化合物として選び、全合成研究に着手した。その結果、Favorskii 転位、Curtius 転位、Pdカップリング反応を鍵反応として重要中間体である4-ヒドロキシ-2-ピリドン化合物 2 を得ることができた。得られた化合物 2 に対し、ヨウ素もしくは NIS を用いた分子内ヨード環化反応を試み、種々条件検討した結果、塩基の有無により位置選択性を完全に制御できることを見いだし、目的の環化体 3 を高収率で得ることに成功した。このようにして得られた環化体 3 は、さらに5工程を経て目的の 1 へと導くことができ、全合成を達成した。現在本全合成経路を応用して、天然の 1 からは導くことの出来ない、新規誘導体の合成に着手し、現在までに10種ほどの合成に成功している。これにより、新たな興味深い構造活性相関に関する知見を得ることにも成功している(論文作成中)。今後もより優れた誘導体の開発を進め、研究協力者と関係を密にして、更なる創薬研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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