2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子活性を有する天然物の生物有機化学的研究
Project/Area Number |
22590029
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
福山 愛保 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70208990)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 神経栄養因子 / ネオビブサニン / タアラアミデイン / フェニルブテノイドダイマー / 神経再生 / OBXマウス / PC12細胞 |
Research Abstract |
我々が見いだした新規天然物ネオビブサニン (1)、タアラアミデイン (2) ならびにフェニルブテノイドダイマー(3) は,強力な神経突起伸展活性を共通として持つが,三種の神経培養系(初代神経培養,PC12細胞,RGC細胞)に対する神経栄養因子活性の活性プロフィールが大きく異なることから,これらの神経栄養因子活性発現に関与する作用機序の解明は,難治性神経変性疾患の治療と予薬物開発に重要な指針を与えるはずである。三種の活性化合物 1, 2, と 3 の効率的合成の開発は終了し構造活性相関および薬理的手法による活性機序の解析,急性痴呆モデルOBXマウスに対する海馬領域の神経再生を検討した。 1)合成が完了したネオビブサニン (1) の不斉合成に成功した。さらに、活性発現に必要な最小構造単位を明らかにし、その構造の最適化を行った。最適化された化合物は天然物と同等の強力な神経突起伸展活性を有することが明らかにできた。本化合物の標的細胞部位および標的分子を単離同定するため、蛍光プローブを結合した誘導体を合成し、PC12細胞に対する細胞内動態を蛍光顕微鏡および共焦点レーザー蛍光顕微鏡で観察した結果、蛍光プローブは樹状突起根本部に集積することがわかった。 2)フェニルブテノイドダイマー(3) は、急性痴呆モデルOBXマウスに経口投与した結果、コントロール群に比べて海馬領域の神経再生が有意に認められた。 3)合成されたタアラアミデイン (2) の立体異性体7種の神経栄養因子活性を評価し、THP 環上の全ての置換基がシスの立体化学を有する化合物が天然型より強力な活性を示した。この立体異性体を大量合成し、マウスに投与すると、物理的に傷害したマウス視神経細胞を再生する画期的な作用が発見された。本タアラアミデイン 誘導体は緑内症等の視神経細胞変性疾患の治療薬への展開が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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