2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体ガス・皮膚滲出液を用いる新規サンプリング手法と診断分析法の開発
Project/Area Number |
22590048
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
片岡 洋行 就実大学, 薬学部, 教授 (80127555)
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Keywords | 固相マイクロ抽出法 / 非侵襲的サンプリング / 生体ガス / 皮膚浸出液 / 不飽和アルデヒド / 揮発性含硫化合物 / 体臭分析 / 口臭分析 |
Research Abstract |
22年度は、実施計画に基づき、生体ガスや皮膚滲出液のサンプリング・前処理法について検討した。特に、ヒトの表皮から放出されるアセトアルデヒド、エタノール及びアセトンなどを対象として、ファイバーSPME法に基づくサンプリング法や分析条件を検討し、アルコール摂取による影響を調べた。また、体臭原因物質として加齢臭に関連するノネナールやがん臭に関連する含硫化合物、口臭原因物質などを対象として、サンプリング分析法を検討した。さらに、現在ストレスや疲労関連ホルモンを対象として、インチューブSPME法に基づく皮膚滲出液や唾液の非侵襲的サンプリング法や分析条件を検討している。その他、インチューブSPME法を様々な化合物の分析へ適用した。 1. 吸引気密捕集法及びカップ液抽出法により、アセトアルデヒド、エタノール及びアセトンをSPMEファイバーに直接抽出でき、GC-MSにより高感度分析できた。また、飲酒後のこれらの化合物の変化を簡単に測定できた。 2. 体臭関連の不飽和アルデヒド類のサンプリング法として、カップ液抽出法、脱脂綿ふき取り法、ガーゼ貼付法を検討した結果、脱脂綿ふき取り法が最も効率よくこれらの化合物を回収でき、ファイバーSPME/GC-MS法により高感度分析できた。本法により、不飽和アルデヒド類は、鼻や足、腋などから多く放出されていることがわかった。 3. 体臭・口臭関連の揮発性含硫化合物のファイバーSPME/GC-MS法を最適化して、皮膚及び口腔内よりサンプリング分析する方法を開発し、ジメチルスルフィド、ジメチルトリスルフィドなどが生体から検出された。 4. カップ液抽出法でサンプリングした皮膚滲出液や唾液をインチューブSPME法により効率よく抽出濃縮する方法を開発し、LC-MS法との連結により、ストレスや疲労関連ホルモン類の分析に適用できることがわかった。 本法を用いれば、非侵襲的かつ簡単に生体成分をサンプリング可能で、SPME法により効率よく抽出濃縮でき、MS法との連携で選択的かつ高感度に分析できることから、口臭や体臭の診断、疾病診断への応用が期待される。
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Research Products
(20 results)