2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体ガス・皮膚滲出液を用いる新規サンプリング手法と診断分析法の開発
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22590048
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
片岡 洋行 就実大学, 薬学部, 教授 (80127555)
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Keywords | 固相マイクロ抽出法 / 非侵襲的サンプリング / 生体ガス / 皮膚浸出液 / 体臭分析 / 高級脂肪酸 / 睡液ホルモン / ストレス評価 |
Research Abstract |
23年度は、実施計画に基づき、生体ガスや皮膚滲出液のサンプリング・前処理法について検討した。特に、体臭原因物質として、がん臭関連の含硫化合物や加齢臭関連の高級脂肪酸類などを対象として、固相マイクロ抽出(SPME)法に基づくサンプリング法や分析条件を検討した。さらに、ストレスや疲労関連ホルモン類をバイオマーカーとして、インチューブSPME法に基づく唾液を用いた非侵襲的サンプリング法や分析条件を検討した。 1.ヒトの表皮から放出される体臭原因物質のヂメチルスルフィドやヂメチルトリスルフィドなどの含硫揮発性化合物や3-ペンタン-2-オンをファイバーSPME/GC-MS法により簡便迅速かつ高感度に測定する方法を確立した。 2.加齢臭の原因となっている皮脂成分の高級脂肪酸(特にノナン酸)をインチューブSPME法により効率よく抽出濃縮する方法を開発し、LC-MS法との連結により、選択的勝高感度に測定する方法を確立した。サンプリング法として、カップ液抽出法、脱脂綿ふき取り法、ガーゼ貼付法を検討した結果、脱脂綿ふき取り法が最も効率よく回収でき、現在体臭の日内変動や加齢など生理的影響について解析している。 3.様々な疾患の引き金となるストレスや疲労のバイオマーカーとして、唾液中コルチゾールや男性ホルモンのテストステロンやデヒドロエピアンドロステロンを、インチューブSPME法により効率よく抽出濃縮し、LC-MS/MS法との連結により選択的かつ高感度分析する方法を開発した。精神的及び肉体的ストレス負荷によるこれらのホルモンレベルの変動を解析し、ストレスや疲労の客観的評価法として有用な方法になることがわかった。 本研究は、非侵襲的かつ簡便な生体成分のサンプリング、SPME法による効率的な抽出濃縮、MS法との連携による選択的かつ高感度な分析を可能とし、口臭や体臭の診断、疾病診断への応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は、目的を達成すべくおおむね順調に進行しているものの、研究計画の項目がやや多すぎたために、結果の解析や論文公表までには至っていないものがある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究計画の最終年度であり、目標達成に向けて、研究推進する予定であり、さらに研究を総括して、研究成果を論文としてまとめるとともに、今後も実用化を目指して新しい研究の展開・発展に繋がるよう鋭意努力する。
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Research Products
(10 results)