2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム機能障害と小胞体ストレス ー新しい脱ミエリン化の分子機構ー
Project/Area Number |
22590060
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
守田 雅志 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (20191033)
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Keywords | 副腎白質ジストロフィー / ペルオキシソーム / アストロサイト / 小胞体ストレス / ABCD1 |
Research Abstract |
グリア細胞、特にアストロサイトに存在するペルオキシソームのミエリン形成への関与について解析を行った。ペルオキシソーム膜ABCタンパク質ABCD1を欠損したマウス脳から初代培養アストロサイトを調製した。ABCD1欠損アストロサイトは野生型に比べて飽和極長鎖脂肪酸C26:0の含量が2倍程度増加しており、また極長鎖脂肪酸(C24:0)のβ酸化活性が有意に減少していた。またABCD1欠損アストロサイトの遺伝子発現解析を行った。発現解析はAgilent社製のWhole Mouse Genome Oligo Microarray(4x44K)を用いた。その結果、炎症反応、酸化ストレス反応、及び小胞体ストレス反応に関連する遺伝子に有意な増減は認められなかった。一方、ケモカインレセプターの一つであるDarc遺伝子や細胞接着分子であるCadm3遺伝子に特異的な発現増加が認められた。従って、アストロサイトではABCD1欠損により極長鎖脂肪酸代謝異常は認められるものの、小胞体ストレスや炎症反応に違いは認められず、外因性の刺激による感受性や脆弱性に違いがある可能性が示唆された。今後、様々なストレスに対する感受性の違いを検討する予定である。一方、今回初めてABCD1欠損によるDarcやCadm3遺伝子の発現増加を見出した。これらの遺伝子発現とABCD1欠損によるペルオキソーム代謝異常との関連性について今後検討を行う予定である。
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[Journal Article] The Structure of Physarum polycephalum hemagglutinin I suggests aminimal carbohydrate recognition domain of legume lectin fold.2011
Author(s)
Kouno T, Watanabe N, Sakai N, Nakamura T, Nabeshima Y, Morita M, Mizuguchi M, Aizawa T, Demura M, Imanaka T, Tanaka I, Kawano K.
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Journal Title
J Mol Biol.
Volume: Vol405
Pages: 560-569
Peer Reviewed
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