2012 Fiscal Year Annual Research Report
シクロオキシゲナーゼ阻害非依存的なインドメタシンの新たな作用機構の解明
Project/Area Number |
22590079
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤野 裕道 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40401004)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | インドメタシン / アラキドン酸 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害により抗炎症作用を示すインドメタシンのCOX阻害非依存的作用としてのアラキドン酸の細胞への取り込み抑制機構の解明を目的として本研究はスタートした。平成22・23年度において、最初に設定した3つの研究目標のうちの2つ、すなわち1)インドメタシンによるアラキドン酸の細胞内取り込み抑制機構の解明、2)その特異性、を明らかにした。平成24年度の研究として、3)アラキドン酸取り込み抑制とメタボリックシンドロームとの関連性について、マウス脂肪細胞株3T3-L1を用いて検討した。その結果、インドメタシン処理によるアラキドン酸などの取り込みは、分化前には抑制されたが、分化後には逆に促進される事が明らかとなった。インドメタシン刺激により3T3-L1細胞は形態を変化させ、インスリン処理同様の形態分化を見せたが、トリグリセリドの合成は、インスリン処理に比べ著しく低い可能性が示唆された。このことからインドメタシンにより分化した細胞に、トリグリセリドの前段階であるジアシルグリセロールが蓄積していることが考えられる。これはインスリン感受性を亢進させる2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)の前駆体であるため、インドメタシンによる分化後の細胞は、インスリン感受性が亢進した結果、脂肪酸取り込みが亢進した可能性が考えられる。すなわちインドメタシンにより分化した細胞で脂肪酸取り込みが促進されれば、血中などの脂肪酸濃度が低下し、最終的にメタボリックシンドロームに対して抑制的に働く可能性が示された。今後はインドメタシン処理により2-AGによるインスリン感受性が亢進しているのかなどを検討して行きたいと考えている。さらにインドメタシン類似インドール新規化合物による癌細胞への作用の検討を開始したことから、本研究により得られた知見を、今後さらに発展させて行けるのではないかと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)