2011 Fiscal Year Annual Research Report
棘皮動物由来骨粗鬆症改善効果物質の再構築と構造活性相関
Project/Area Number |
22590112
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
稲垣 昌宣 安田女子大学, 薬学部, 講師 (90274480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 美雄 安田女子大学, 薬学部, 教授 (70025716)
森本 千恵 安田女子大学, 薬学部, 講師 (10332826)
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Keywords | 生体分子 / 生理活性 / 骨粗鬆症 / 棘皮動物 |
Research Abstract |
平成23年度は、オニヒトデの極性に応じた分画のうち、低極性脂質画分である酢酸エチル・ブタノール混液画分をアセトン処理して、その不溶部をカラムクロマトグラフィーにより精製し、脂肪酸+スフィンゴシン型長鎖塩基(1)、α-オキシ脂肪酸+スフィンゴシン型長鎖塩基(2)、α-オキシ脂肪酸+フィトスフィンゴシン型長鎖塩基(3)の3種のセラミドコア構造を有するセレブロシド分子種が得られた。2と3について、それぞれをメタノリシス、誘導体化して脂肪酸(脂肪酸メチルエステル)、長鎖塩基(TMSエーテル誘導体)、糖(TMSエーテル誘導体)の構成をGCMSにて分析した。 また、平成22年度の研究課題対象動物の確保が不十分であったため、沖縄県国頭郡本部町瀬底島沿岸部にて再度採集活動を行い、オニヒトデ(約30kg)が得られた。この一部を使用して再度抽出、分画を行い、目的化合物を含有する画分を確保した。 以前より遂行している南氷洋産無脊椎動物ヒモムシの成分研究について、その目的化合物は本課題と同様のスフィンゴ糖脂質(セレブロシド)であり、構成糖としてガラクトースを有し、構成脂肪酸・長鎖塩基に不飽和結合が多く含まれることなどが判明し、昨年度の日本薬学会第131年会において発表を行っている。本年度は構成糖のガラクトースについて、誘導体化後GCによる分析により、その絶対配置をD系と決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試料動物の確保に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
低極性脂質画分のアセトン不溶部を化学的に分解、誘導体化後、α-オキシ脂肪酸、長鎖塩基について、各々の成分を精製して単一化合物とする。得られたα-オキシ脂肪酸と長鎖塩基を結合して再構築し、分子種でない単一なセラミドを得る。得られたセラミドは骨芽細胞株などを用いたアッセイ系によるスクリーニングを行う。以前の検討ではトリチウムチミジンの取り込み量により骨芽増殖活性の検討を行ったが、本課題ではMTTアッセイを用いることにより、より簡便に試験が行えるものと思われる。対象化合物のアルキル鎖の鎖長、また糖の有無(糖脂質は得られたセレブロシド、セラミドラクトシド、ガングリオシドを精製、単離して使用)などによる構造活性相関の検討を行い、活性発現の最小構造単位を考察し、骨粗鬆症改善薬のリード化合物を探索する。
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