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2010 Fiscal Year Annual Research Report

亜鉛の殺細胞作用とDNAメチル化阻害による抗がん機構

Research Project

Project/Area Number 22590126
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

瀧口 益史  広島国際大学, 薬学部, 准教授 (90330753)

Keywords亜鉛 / アポトーシス / 抗がん / DNAメチル化 / メタロチオネイン / 亜鉛イオノフォア
Research Abstract

【目的】細胞内亜鉛濃度は生理的条件下、一定に保たれており、培養液中に亜鉛を添加したのでは一過性細胞内亜鉛の増加を再現できない。また、亜鉛はメタロチオネイン(MT)と結合するため、亜鉛自身の機能解析が困難であった。そこで、今回はMT欠損細胞を用い亜鉛イオノフォアにより一過性に細胞内亜鉛濃度を増加させ、亜鉛の細胞毒性を解析した。併せて亜鉛の細胞毒性に対するMTの影響を検討した。
【方法】野生型(MT+/+)とMT欠損(MT-/-)マウス腺維芽細胞を用いた。亜鉛及び亜鉛イオノフォア(pyrithione)を処理し、細胞の生存率をMTT法により測定した。細胞内亜鉛濃度は原子吸光光度計を用いて測定した。アポトーシスの誘導はDNAの断片化を指標に解析した。
【結果・考察】pyrithione添加により細胞内亜鉛濃度は対照群の約1.8倍に増加した。亜鉛を同時に添加すると細胞内亜鉛濃度は対照群の約7.5倍に増加し、MT+/+細胞とMT-/-細胞間で差はなかった。Pyrithione単独による細胞毒性はMT-/-の方が高く、MTが一過性細胞内亜鉛濃度増加に対して防御的に作用していることが考えられた。しかし、亜鉛を同時に添加すると両細胞間の感受性に差は認められなかった。細胞死の形態を解析した結果、pyrithioneによりDNAの断片化が観察され、アポトーシスが誘導されていた。その程度はMT-/-細胞の方が強かった。亜鉛を同時に添加するとDNAの断片化は観察されなかった。これらの結果より、亜鉛による細胞死の形態は細胞内亜鉛濃度によってアポトーシスかネクローシスのいずれを取るか決定されると考えられる。また、MTは亜鉛によるアポトーシスを抑制する可能性が示唆された。

URL: 

Published: 2012-07-19  

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