2011 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛の殺細胞作用とDNAメチル化阻害による抗がん機構
Project/Area Number |
22590126
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
瀧口 益史 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (90330753)
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Keywords | 亜鉛 / アポトーシス / 抗がん / DNAメチル化 / メタロチオネイン / 細胞浸潤能 / MMP / がん悪性化 |
Research Abstract |
【目的】亜鉛により誘導されるメタロチオネイン(MT)のがんに対する影響を調査することにより、亜鉛の抗がん作用をについて考察を加えようと計画した。既に我々は野生型細胞とMT欠損細胞を比較した結果、MT欠損細胞ではマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)2遺伝子発現が減少しており、MMP2遺伝子産物である68k Da typeIVコラゲナーゼ分泌活性も低下していることを明らかにしている。本研究では、MT欠損細胞にMT遺伝子を導入すること(MT相補実験)で、MTのMMP2発現に対する影響を明らかにすることを目的に検討を行った。一方、MMP2は細胞外マトリックスの基底膜にあるIV型コラーゲンを分解することで、がん細胞の浸潤に関係する酵素の1つである。そのため、MTのがん細胞浸潤に対する影響についても興味が持たれる。そこで、MTの細胞浸潤能に対する影響についても併せて検討した。 【結果および考察】pcMT2 plasmidをMT^<-/->細胞に導入することにより、MT2遺伝子の発現が確認された。このMT2遺伝子発現細胞クローン(MT^<-/->MT2)のMMP2遺伝子発現量を調べたところ、MT^<-/->MT2細胞の方がMT^<-/->細胞に比べ明らかに高かった。さらに、ゼラチンザイモグラフィーの結果、MMP2活性もMT^<-/->MT2の方がMT^<-/->細胞に比べ明らかに高かった。これらのことより、MTはMMP2遺伝子発現のための重要な要因であると考えられる。一方、細胞浸潤能はMT^<-/->細胞の方が野生型細胞と比べ明らかに低かった。そのMT^<-/->細胞にMT2遺伝子を導入すると細胞浸潤能は増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
追加採用(平成22年10月)だったため、研究開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始が遅れた分を取り返すため、卒業研究生(薬学部4年、5年)を当初の計画より2名程増員し研究に当たる。
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Research Products
(3 results)