2013 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛の殺細胞作用とDNAメチル化阻害による抗がん機構
Project/Area Number |
22590126
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
瀧口 益史 広島国際大学, 薬学部, 教授 (90330753)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
|
Keywords | 亜鉛 / MMP / がん悪性化 / 発がん無機物質 / 重金属 / 抗がん |
Research Abstract |
【目的】種々の重金属は,発がんの原因物質であることが知られている.一方,マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)は活性中心に金属を有する分泌タンパク質であり,がんの進展および浸潤に関与している.そこで我々は,重金属による発がんメカニズムの一部にMMP2が関与している可能性を検討してきた.その結果,in vitro実験系では,Znが細胞培養液のMMP2分泌活性を増加させ,CdおよびCrは減少させた.一方,ex vivo実験系(酵素源として細胞培養液)ではこれらの金属はMMP2活性に影響を与えなかった.そこで今回,MMP2 の細胞内タンパク質発現量およびmRNA発現量に対するZn, Cd, Crの影響を調査し,細胞内MMP2が細胞外へ分泌されるどの過程に影響しているのか検討した. 【方法】使用重金属:ZnSO4, CdCl2, K2CrO4 (6価クロム).細胞:マウス由来線維芽培養細胞を使用した.細胞培養液に種々の重金属を添加し24時間培養後,培養液を回収した.細胞はTRIzol試薬を用いてtotal RNAを抽出し,RT-PCRによりMMP2 mRNA発現量を測定した.また,Lysis Bufferを用いて細胞内タンパク質を回収した.Gelatin zymography:サンプルを10 % zymogram gel(0.1 % gelatin入り)にて泳動し,zymogram キット(TEFCO社)を用いてMMP2活性を測定した。 【結果および考察】細胞内MMP2活性を測定した結果,CdおよびCrは細胞内MMP2活性を増加させ,Znは減少させた。次に,MMP2 mRNAについて検討した結果,Zn, Cd, CrはMMP2 mRNAレベルに影響を与えなかった.したがって,CdおよびCrはMMP2の細胞外への分泌量を減少させることで,細胞内MMP2が増加し,Znは細胞外への分泌を亢進することで,細胞内MMP2レベルを減少させる可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)