2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の食卓を考慮した加工食品中の効率的かつ実用的な動物用医薬品分析法の構築
Project/Area Number |
22590128
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
伊藤 裕子 愛知県衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (80470178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 智美 愛知県衛生研究所, 主任研究員 (10450868)
猪飼 誉友 愛知県衛生研究所, 室長 (70450872)
三上 栄一 愛知県衛生研究所, 主任研究員 (80450865)
林 留美子 愛知県衛生研究所, 部長 (30450860)
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Keywords | 食品衛生 / 加工食品 / 動物用医薬品 / 残留分析 |
Research Abstract |
未加工未加熱の食品を対象に構築した分析方法を用いて加工食品を分析することは、多様な成分を有するため困難を伴うことが多い。また、調理加工度の高い加工食品中に残留する物質を効率的に精度よく分析する方法は、食文化の違いから、その開発を諸外国に求めることは難しい。このため、本研究は日本人の食卓を考慮した加工食品を対象として、残留する恐れのある動物用医薬品を簡便かつ迅速に同時定量する方法の構築を目的とする。 目的を達するための1つとして、日本食の代表的調理法である『照り焼き』について、タレに由来する夾雑物質を効率よく除去する方法を開発し、平成22年度には、水産物を原料とした加工食品中のトリフェニルメタン系合成抗菌剤分析法を確立した。23年度は、この方法を畜産食品中のベンズイミダゾール系駆虫剤分析へ適用することを試みた。対象薬剤の物性や対象食品が異なることから、未加工・未加熱の食肉を対象として、抽出条件(溶媒、酸やアルカリの添加、脱水など)やLC分離条件など、分析法開発の最終目的が加工食品分析であることを念頭に基礎検討を行った。抽出にはアセトニトリルを用い、中性から弱塩基性条件下で行うことで良好な結果を得て、LC分離条件には、コアシェル型充填剤を使用したLCカラムを採用し、迅速分析が可能な条件を見出した。 また、平成22年度に基礎検討を行った高速向流クロマトグラフィーを動物用医薬品分析へ応用することについて、対象とするサルファ剤を5種類から17種類に増やし、加工食品分析に適用した。肉や魚の塩焼き、照り焼き、竜田揚げやフライ、更に茶碗蒸しなど10種類の加工食品に適用したところ、いずれの検体からも測定を妨害する物質は検出されず、添加回収実験において満足できる結果を得た。また、この方法は世界的にも先例がないため、鶏卵を対象として分析法の再現性を検証し、厚生労働省が提唱するガイドラインを満たす結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未加工・非加熱の食品を対象としたベンズイミダゾール系駆虫剤については、基礎検討の段階としているが、従来法よりも迅速な分析法を提唱することができており、また、サルファ剤については、当初の計画以上に再現性の検証など成果が得られたため、全体として順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
分析法の開発段階では、未加工・非加熱の食品を対象として検討を進めるが、加工食品分析を常に念頭に置いて基礎検討することにより、想定される問題点を予め回避する。ある程度分析方法のアウトラインを描いた後、加工食品分析を行い、微調整することで効率的に分析法の開発を進める。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Epigenetic Assessment of Environmental Chemicals Detected in Maternal Peripheral and Cord Blood Samples2011
Author(s)
Yoshikazu Arai, Jun Ohgane, Shintaro Yagi, Rie Ito, Yusuke Iwasaki, Koichi Saito, Kazuhiko Akutsu, Satoshi Takatori, Rie Ishii, Rumiko Hayashi, Shun-Ichiro Izumi, Norihiro Sugino, Fumio Kondo, Masakazu Horie, Hiroyuki Nakazawa, Tsunehisa Makino, Kunio Shiota
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Journal Title
Journal of Reproduction and Development
Volume: 57
Pages: 507-517
Peer Reviewed
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