2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞を利用したビタミンKサイクルを標的とする発がん予防機構の研究
Project/Area Number |
22590133
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 克徳 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20361363)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 民秀 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40209581)
大森 栄 信州大学, 医学部附属病院, 教授 (70169069)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ビタミンKサイクル / iPS 細胞 / VKORC1 |
Research Abstract |
本研究では、日本人で高頻度に存在するビタミンKエポキシドレダクターゼ (VKORC1) 遺伝子多型と発がんの関連を解析し、ビタミンK補充による効果的な発がん予防およびがん化学療法の補助的な利用法の確立を目的とした。iPS 細胞および ES 細胞の安定した維持について検討し、細胞の培養に用いる因子や培地に関する様々な研究結果を蓄積した。iPS 細胞などの人工多能性幹細胞は、体を作るあらゆる細胞に分化可能であり、増殖力に優れていることから、医薬品開発のための安定した細胞供給源として期待される。本研究では、iPS 細胞から分化させた肝細胞様細胞の mRNA の解析を行った。この結果、肝細胞マーカー、CYP1A1 などの薬物代謝酵素及び CYP3A4 の誘導に関与する核内受容体や転写因子の発現が認められた。しかし、CYP3A4 および CYP1A2 の発現および誘導ほとんど見られなかった。より成熟した肝細胞を効率よく分化する方法については、さらなる検討が必要である。また、ビタミンKサイクルに関係している酵素の mRNA の解析を行った。iPS 細胞から分化させた肝細胞様細胞は、NQO1 の発現およびベンゾ[α]ピレンによる 3.9 倍の誘導が認められた。これに対して、血液凝固第X因子の mRNA発現量は 0.35 倍に減少した。ヒト iPS 細胞由来の肝細胞様細胞は、ヒト肝細胞と同様に薬物による酵素誘導能を有し、ビタミンKサイクルに関係している酵素の発現変動評価系さらには発がん予防研究の評価系として有用である可能性が示された。 ビタミンKエポキシドレダクターゼに加えて、CYP4F2 遺伝子多型を PCR-RFLP 法やダイレクトシークエンス法で解析した。がんとの因果関係は不明であるものの、抗がん剤との併用の際に重要となるビタミンK代謝とワルファリン投与量の関係について論文報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)