2010 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流Kチャネルの生理機能を担うブロック低感受性コンダクタンスの分子機序
Project/Area Number |
22590208
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
柳 圭子 (石原 圭子) 佐賀大学, 医学部, 准教授 (70265990)
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Keywords | カリウムチャネル / 内向き整流カリウム電流 |
Research Abstract |
Kir2サブファミリーに属する内向き整流性カリウムイオンチャネル(Kir2チャネル)は特に神経や筋において細胞膜に局在して細胞の興奮性や収縮を制御する重要な役割を担っている。しかし生理機能に大きく関与する外向き電流の大きさを制御する詳細な分子メカニズムは未だ明らかでなく、我々はこれまでの研究成果から、Kir2チャネルには外向き電流を抑制的に制御する細胞内のポリアミンやマグネシウムイオン等の陽イオンに対する感受性が異なる2つの分子状態があるものと推測している。本研究ではKir2チャネルの制御メカニズムの詳細を分子レベルで明らかにすることを目標とし、Kir2チャネル分子機能を、これを取り巻く細胞膜の脂質による調節を含めて検討するため、脂質の組成をコントロールした状態下にチャネル活性を測定できる人工脂質二重膜法による実験系の導入に着手した。具体的には、Kir2.1チャネルを哺乳動物培養細胞に高密度に発現させ、これを破砕して遠心分離によって膜分画成分を抽出し、チャネルを含む細胞膜ベジクルをチャネル活性に必要なイノシトールリン脂質と共に2種類のリン脂質(POPEとPOPG)から成る人工脂質二重膜に組み込み、単一分子のチャネル活性を電気生理学的に測定することを試みた。脂質二重膜へ細胞膜ベジクルを効率的に組み込むためには、さらに膜分画の精製法を改良してより適切なサイズのベジクルを作製したり、ベジクル内溶液組成を検討すること等が必要であることが分かった。
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