2011 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー代謝リズムが血圧日内リズムに与える影響の解析
Project/Area Number |
22590226
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
向阪 彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00458051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正信 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80181593)
和気 秀文 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50274957)
GOURAUD Sabine 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (30453179)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生体リズム / 血圧日内リズム / 代謝調節 |
Research Abstract |
高血圧症における血圧日内リズムの異常は、脳・心血管障害発症の危険因子として知られている。しかしながら、血圧日内リズムの調節とその破たんのメカニズムはよく分かっていない。本研究では、さまざまな生体リズムが摂食リズムの影響を受けることに着目して、本態性高血圧症のモデルラット(SHR)でみられる血圧日内リズムの異常に"摂食リズム異常"が関与しているのではないかという仮説をたてた。この仮説を証明するために、平成22年度においては、SHRの血圧および摂食行動の日内リズムの解析を行い、SHRでは血圧でだけではなく摂食行動の日内リズムにも異常がみられることを見出した。平成23年度は、この発見にもとづいて、SHRでみられる摂食リズムの異常が血中のブドウ糖、脂質、そしてインスリンやレプチンなどのホルモンレベルの日内リズムに影響を及ぼしていないかどうかを調べた。また、これらの代謝因子の調節に関わる遺伝子の発現リズムにも異常がないかを肝臓および脂肪組織を用いて解析した。その結果、SHRでは、糖代謝の日内リズムに大きな変化は認められなかったものの、脂質代謝の日内リズムが対照群のラット(WKY)と大きく異なっていた。すなわち、WKYとSHR間で血中遊離脂肪酸の日内リズムの位相は全く異なり、さらに脂質代謝に関わる遺伝子の発現リズムもSHRの肝臓および脂肪組織においては振幅の減少などの大きな変化が認められた。平成22年度~23年度の本研究の成果により、SHRでは血圧の日内リズム異常に加えて、摂食行動、血中の脂質、組織中の代謝調節遺伝子の発現にいたる広範な代謝機能に関して日内リズムに異常が起きていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では実験を4つに区分し(実験1~4)、実験1および2は平成22年度、実験3は平成23年度に施行予定であったが、実験3までのいずれの実験も平成23年度末には終了しており、本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の4つの実験のうち、実験1~3は予定通り終了しており、最終年度である平成24年度は、実験4を残すのみである。現在、研究計画の変更や問題点等はとくに存在しない。このことから、平成24年度は最終実験である実験4を予定通り施行する。
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