2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590228
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
船戸 弘正 東邦大学, 医学部, 准教授 (90363118)
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Keywords | 解剖学 / 神経回路 / 体重制御 / 視床下部 / マウス |
Research Abstract |
1)オレキシン細胞欠損マウスにオレキシン2型アゴニストを脳部位特異的に投与することで、個体レベルでオレキシン2型アゴニストが作用する部位を検討した。オレキシン神経欠損マウスは、高脂肪食高カロリー食飼育で肥満することが知られている。背側縫線核等の縫線核群がオレキシン2型アゴニストのターゲットであることが示唆されるため、オレキシン神経欠損マウス(10週齢、雄)の背側縫線核にカニューラ(Plastic One)を留置し皮下に埋めた浸透圧ポンプ(model 2001 ; Alzet)と接続しオレキシン2型受容体アゴニスト([Ala11,D-Leu15]orexin-B)を持続投与した。高脂肪食D12451(45%脂肪;Research Diets)で飼育中2週間の体重と摂餌量を毎日測定し、さらに2週後に視床下部腹内側部を取り出し、トータルRNAを調整しqPCRにより摂食関連分子(NPY,AGRP,POMC等)の発現変化を検討した。その結果、NPY、AgRPの発現に変化がみられた。 2)オレキシン2型アゴニストとセロトニンとの相互作用の検討 背側縫線核でのオレキシン2型アゴニスト投与によりc-FOS陽性細胞が増加することから、セロトニンがオレキシンの体重抑制作用に関与していることが示唆される。弓状核にはセロトニン1A受容体が豊富に存在し、このセロトニン1A受容体はレプチンによる体重制御に必須である。オレキシン2型アゴニストの効果にセロトニンが重要であるか検討する。高脂肪食(D12451)条件下で、オレキシン神経欠損マウスにオレキシン2型受容体アゴニスト([Ala11, D-Leu15]orexin-B)またはPBSを2週間持続的に浸透圧ポンプ(model 2001 ; Alzet)とカニューラ(Brain Infustion Kit III;Alzet)を用いて持続的に脳室内に投与(0.5nmol/日)する。1週間後に、セロトニン1A受容体アンタゴニスト(WAY-100635;Sigma)を投与し次の1週間での体重と摂餌量を毎日測定した。FOS陽性細胞数の変化を検討したところ、オレキシン2型受容体が発現する部位に変化が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験自体は順調に実施されている。結果は必ずしも予想していたものではないため、追加的検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
神経回路上の分子変化と個体レベルでの変化の詳細な因果関係を証明するために、ウイルスベクターを用いた研究を計画している。
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