2010 Fiscal Year Annual Research Report
活性型GPCRとその特異的抗体による共結晶化から構造解析へ向けて
Project/Area Number |
22590270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 秀基 京都大学, 医学研究科, 研究員 (20399041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 充典 九州大学, 薬学研究院, 助教 (00380527)
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Keywords | GPCR / 抗体 / 共結晶 / 構造解析 |
Research Abstract |
平成22年度の研究計画に従って、3つのGPCR(アンジオテンシン受容体、ヒスタミン受容体およびニューロキニン受容体)について大量発現から精製系の検討および確立を行った。しかし、申請時には全てのGPCRにおいて昆虫細胞発現系を用いて行う予定であったが、ヒスタミン受容体およびニューロキニン受容体は酵母発現系の方が高発現であったためこれに変更した。 まず安定化変異体を作製する為に、それぞれのGPCRについてN、C末端を欠損させ、蛍光ゲルろ過法により検討した。その結果、それぞれのGPCRについて安定化するための最適な欠損位置が存在することが確認出来た。これらの安定化変異クローンに対してさらにT4リゾチームを細胞内第三ループに挿入しさらに安定化を高めた。またこれらの安定化変異体のリガンド結合活性が維持されているかをリガンド結合試験により確認した。 次いでこれらの安定化変異GPCRの精製系の確立を行った。既に精製系が確立しているアデノシンA2a受容体やムスカリン性アセチルコリンM2受容体のGPCRの精製系を踏襲し、本研究のターゲットGPCRの精製を行った。Hisタグ精製の回数、ゲルろ過の有無など各ターゲットGPCRにより、精製法に変更が必要であることが分かったが、3つのターゲットGPCRについて精製法を確立することが可能となった。また特異的リガンド結合試験の結果、これらの精製GPCRはそれぞれ活性を維持したままで精製出来ることが確認出来た。 以上の結果から、今年度の研究計画に基づき研究を遂行出来き、GPCR特異的構造認識抗体の取得へ向けた準備が整ったと考えられる。
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