2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590296
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
永井 尚子 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助教 (00367799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木全 弘治 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 名誉教授 (10022641)
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Keywords | ヘパラン硫酸 / 糖鎖 / エネルギー代謝 / 褐色脂肪組織 |
Research Abstract |
平成22年度において申請者はHS6ST2ノックアウトマウスでのエネルギー代謝が低下している可能性を定量的に解析した。野生型マウス、ノックアウトマウスから骨格筋(大腿四頭筋)、褐色脂肪組織を採取し、total RNAを調整した。逆転写酵素を用いてcDNAを作製した後、βアクチン遺伝子量を内部標準としてUcp1,Ucp2,Ucp3,PPARα,PPARγ,PPARδ,Pgc1α,Pgc1βの発現」定量を行ったところ、ノックアウトマウスでは褐色脂肪組織においてUcp1およびUcp3の発現が低下していた。しかし、その他の遺伝子に関しては有意差を得ることができなかった。さらに、接触式体温計を用いてマウスの背部皮膚の体温を測定したところ、Hs6st2ノックアウトマウスは野生型マウスと比較して約0.4℃の低下が観察された。 ヘパラン硫酸依存的に作用し、エネルギー代謝を変化させるシグナル伝達分子としてFGF19,FGF21,Angpt16などが候補として考えられる。このうち、FGF19とFGF21に関し、マウスより単離した褐色脂肪細胞を用い、下流シグナルへの影響を検討した。野生型マウスおよびHs6st2ノックアウトマウス新生仔より褐色脂肪組織を採取し、分散処理した細胞をI型コラーゲンでコートした培養皿で培養した。コンフルエントに達した後、薬剤処理により褐色脂肪細胞に分化させ、無血清培地で一晩培養した後にFGF19あるいはFGF21で処理した細胞を回収した。ウエスタンブロットでリン酸化ERKを定量解析した結果、Hs6st2ノックアウトマウスでは無血清培地培養条件下でリン酸化ERK量が減少していた。この結果が培養によりもたらされた非特異的な結果である可能性について、組織レベルのウエスタンブロットにより確認する必要があると考察された。
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Research Products
(3 results)