2012 Fiscal Year Annual Research Report
血漿S19リボソームタンパク質の細胞性免疫反応における役割
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22590348
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
千場 梅子 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50109691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (60112405)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | RP S19 / 補体系 / 結核菌 |
Research Abstract |
この研究は、結核感染防御において、血管外へ透過した血漿S19リボソームタンパク質(RP S19)が結核菌膜上の負荷電領域で血漿トランスグルタミナーゼ(FXIIIa)により架橋二量体化され、単球/マクロファージを動員し菌を貪食処理させるとともに、結核菌に対する細胞性免疫能を獲得させるのではないかという仮説を検証することを目的とする。研究の結果、結核菌(青山株)死菌をヒト乏血小板血漿に曝したとき、凝固反応に伴いRP S19架橋化二量体が生成されること、RP S19架橋二量体化には結核菌膜上の負荷電領域および血漿トランスグルタミナーゼ(FXIIIa)が必須であること、また生成したRP S19架橋化二量体はC5aリセプターを介して単球を遊走させることが明らかになった。この単球走化誘導に対しては、結核菌由来の因子や補体系の関与も示唆されたので、それについて検討を加え、Q137E-RP S19変異体遺伝子導入マウス血漿を用いた実験等を行った。 1)結核菌膜表面に存在するリポグリカンや糖鎖は、血漿中のMBLやフィコリンと結合して補体レクチン経路を活性化することが考えられた。2)3つの補体活性化経路全てを遮断するため、抗ヒトC3抗体ビーズによりヒト乏血小板血漿を前処理し、C5aの産生を抑制した。その後結核菌に曝すと、血清化後の単球走化活性は抑制された。3)当研究室で作成した、架橋化二量体の生成ができないQ137E-RP S19変異体遺伝子導入マウスの血漿では、内因系凝固カスケードの活性化が有意に遅延した。 以上のことから、血漿中に結核菌が存在するとき引き起こされる単球走化活性は、RP S19架橋化二量体のみならず、補体活性化産物C5aによる誘導も加味されていることが明らかになった。結核菌感染に対する自然免疫反応に、補体系とともにRP S19も関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)