2010 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスのエンドヌクレアーゼに対する阻害薬の探索
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22590422
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
葛原 隆 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00260513)
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Keywords | インフルエンザ / RNAポリメラーゼ / エンドヌクレアーゼ / 阻害剤 / サリドマイド / フェネチルフェニルフサリミド / 天然物化合物 / カテキン |
Research Abstract |
抗インフルエンザ薬として用いられているものはタミフル、リレンザなどのノイラミニダーゼ阻害薬が主なものであり、耐性ウイルスの出現や、副作用の可能性などの問題がある。ノイラミニダーゼ以外のウイルスの標的とする薬を見いだすことを考え、ウイルス株間で保存性の高い、インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼを解析し、これに対する阻害剤を探索した。特にインフルエンザウイルスのエンドヌクレアーゼ阻害活性を指標に化合物のスクリーニングを行い、抗インフルエンザ薬を探索した。1)インフルエンザRNAポリメラーゼのエンドヌクレアーゼドメインタンパク質を精製し、その活性の最適条件を検討し、基質の最適化など、生化学的な性状を解析した。2)サリドマイドアナログ化合物によるインフルエンザ・エンドヌクレアーゼ阻害薬を探索した。サリドマイドは現在は多発性骨髄腫の治療薬などとして用いられている。サリドマイドは様々な酵素に作用することが明らかになってきている。このサリドマイドを基にした多数のアナログが抗インフルエンザ薬などの他の薬として用いることができるというアイデアを申請者は考えた。連携研究者である橋本祐一氏は、多数のサリドマイドアナログを有機化学的に合成している。それらの他種類のサリドマイドアナログに対して、エンドヌクレアーゼ阻害活性を検定し探索したところ、複数の候補化合物を得た。3)緑茶カテキンがこのエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを見いだした。4)立体構造からコンピュータシミュレーションを利用した結合化合物の予測によるインフルエンザ・エンドヌクレアーゼ阻害薬を探索した。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Anti-influenza Activity of Phenethylphenylphthalimide Analogs Derived from Thalidomide.2010
Author(s)
Iwai Y, Takahashi H, Hatakeyama D, Motoshima K, Ishikawa M, Sugita K, Hashimoto Y, Harada Y, Itamura S, Odagiri T, Tashiro M, Sei Y, Yamaguchi K, Kuzuhara T.
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Journal Title
Bioorganic & Medicinal Chemistry
Volume: 18
Pages: 5379-5390
DOI
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[Presentation] Thalidomide analogs as a new strategy against influenza A2010
Author(s)
Hatakeyama D, Iwai Y, Takahashi H, Motoshima K, Ishikawa M, Sugita K, Hashimoto Y, Harada Y, Itamura S, Odagiri T, Tashiro M, Sei Y, Yamaguchi K, Kuzuhara T
Organizer
Cell Symposia"Influenza Translating basic insights"
Place of Presentation
Washington D.C., USA
Year and Date
20101202-20101204
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[Presentation] サリドマイド由来誘導体による抗インフルエンザウイルス活性の構造学的および生化学的解析2010
Author(s)
畠山大, 岩井佑磨, 高橋仁, 本島和典, 石川稔, 杉田和幸, 橋本祐一, 原田勇一, 板村繁之, 小田切孝人, 田代眞人, 清悦久, 山口健太郎, 葛原隆
Organizer
第49回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会
Place of Presentation
鳥取県米子市
Year and Date
20101106-20101107
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[Presentation] サリドマイド・アナログの抗インフルエンザウイルス活性2010
Author(s)
畠山大, 岩井佑磨, 高橋仁, 本島和典, 石川稔, 杉田和幸, 橋本祐一, 原田勇一, 板村繁之, 小田切孝人, 田代眞人, 清悦久, 山口健太郎, 葛原隆
Organizer
日本生物物理学会第48回年会
Place of Presentation
東北大学川内キャンパス
Year and Date
20100920-20100922
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[Presentation] サリドマイド由来誘導体の抗インフルエンザ活性2010
Author(s)
畠山大, 岩井佑磨, 高橋仁, 本島和典, 石川稔, 杉田和幸, 橋本祐一, 原田勇一, 板村繁之, 小田切孝人, 田代眞人, 清悦久, 山口健太郎, 葛原隆
Organizer
日本生物物理学会第2回中国四国支部大会
Place of Presentation
松山大学薬学部
Year and Date
2010-05-08
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