2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトパピローマウイルス感染初期過程における宿主蛋白質の役割
Project/Area Number |
22590425
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
石井 克幸 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 主任研究官 (90342899)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / L2 / KIAA1012 |
Research Abstract |
細胞内蛋白質KIAA1012はHPV51型Ma株のキャプシド蛋白質L2に特異的に結合する。また、KIAA1012はHPV51型Ma株の感染初期過程に重要な役割を果たす。 当該年度は、KIAA1012のHPV16型および31型感染に与える影響を調査した。また、KIAA1012抗体の作成とKIAA1012ノックダウン細胞株の樹立を試みた。 KIAA1012は16型と31型L2にも結合した。KIAA1012ノックダウンHeLa細胞に16型および31型偽ウイルス接種した場合、レポーター遺伝子の発現は低下した。31型authentic virionをKIAA1012ノックダウンHaCat細胞に接種した場合も、HPV31型初期遺伝子の発現は低下した。以上の事実からKIAA1012はHPV51型Ma株以外の16型および31型の感染初期に働くことが示唆された。 KIAA1012のN端を大腸菌から精製した。これをウサギに免疫し、抗KIAA1012抗血清を得た。この血清からKIAA1012固定化カラムにより抗KIAA1012IgGを精製した。精製した抗体を用い、KIAA1012の細胞内局在を観測した。KIAA1012の多くが細胞質に、一部が核に存在することが明らかとなった。 KIAA1012ノックダウンHeLa細胞株の樹立を試みた。pBAsiRNAシステムを使用したが、目的の株は得られなかった。KIAA1012はHeLa細胞の生存に必須な蛋白質であると推測される。
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Research Products
(1 results)