2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん手術待機期間からみた医療資源適正配分に関する研究
Project/Area Number |
22590463
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高塚 直能 岐阜大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00293556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 清 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90345786)
|
Keywords | 乳がん / 手術待機期間 / 医療資源配分 |
Research Abstract |
本年度は乳がんに対する最大許容手術待機期間を明らかにすることを目的に、まずは乳腺外科医に対する聞き取り調査を行った。最大許容手術待機期間とは診断がついてから少なくともこの期間までには手術すべきということで定義した。病院によっては必ずしも乳腺外科を標ぼうしていなくても乳がん手術を行う外科医もいるため、対象者は乳腺専門医に限定はされていない。任意に抽出した10施設のうち協力の得られた3施設から計7名の外科医(うち乳腺専門医2名)を対象とした。 まず最大許容手術待機期間に影響する要因として挙げられたのは、病期分類、病理結果、年齢、閉経の有無、ホルモン感受性、他疾患の有無、患者の希望であった。そこで仮想的な症例を提示し、それに対する最大許容手術待機期間について回答してもらった。病期分類0期非浸潤がん、50歳、閉経前、ホルモン感受性あり、他疾患の既往特になしというケースでは最大許容手術待機期間は3ヶ月から6ヶ月(2名:3ヶ月、2名:4ヶ月、1名:5ヶ月、2名:6ヶ月)とばらついた。また病期分類1期(腫瘍径2cm以下、リンパ節転移なし)、浸潤、50歳、閉経前、ホルモン感受性あり、他疾患既往特になしというケースでは最大許容手術待機期間は2ヶ月から3ヶ月(4名:2ヶ月、3名:3ヶ月)とこれもばらつきがみられたが、病期分類0期より短くなることがうかがえた。 このプレ調査からも最大許容手術待機期間については医師によっても判断は曖昧であり、手術待機に対しては臨床所見以外の手術枠の確保など他の要因の影響を受ける可能性があることが示唆された。現在、対象者を増やして自記式調査を進めており、所属医療機関の特性などの影響も含めて解析を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医療機関の協力を得るのに予定以上の時間がかかるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
乳がん患者を対象とした多施設調査は施設の協力を得ることが難しく、数施設に限定される可能性が高い。そうなると施設要因の検討は難しくなるため、個人要因の解析が中心になると思われる。また待機期間短縮に対する支払意志額調査については、乳がん患者の確保が十分とならない場合、一般女性を対象とした無記名調査の実施も予定しておく。
|