2010 Fiscal Year Annual Research Report
新型インフルエンザに続発する市中感染型MRSA感染症の病態解析と治療戦略
Project/Area Number |
22590514
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高山 陽子 北里大学, 病院, 助教 (80286278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 寿一 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20374944)
新井 知明 東北大学, 医学系研究科, 研究補佐 (30547386)
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Keywords | 新型インフルエンザ / MRSA / 細胞侵入性 / 細胞接着能 |
Research Abstract |
2009年3月、新型インフルエンザH1N1(以下H1N1)感染事例がメキシコで初めて確認されて以降、感染は急速に世界中に拡大した。スペイン風邪など過去の新型インフルエンザでは、死亡原因の大多数を、インフルエンザ感染に続発する肺炎球菌性肺炎が占めたとの報告がある。季節性インフルエンザにおいては肺炎球菌以外の細菌で細胞接着性や侵入性を検討した報告は少なく、H1N1でも同様である。本研究では、深刻な市中肺炎や敗血症に関連し、PVL(Panton-Valentine Leucocidin)を産生することで注目された市中感染型MRSA(community acquired methicillin resistant S.aureus:CA-MRSA)に着目した。菌株は、USA300(CA-MRSA)、ATCC 29213(methicillin sensitive S.aureus:MSSA)、陽性コントロールP.aeruginosa PAO1、陰性コントロールE.coli RDEC-1を使用し、MDCK細胞(イヌ腎臓細胞由来)への侵入性を評価した。方法は、細胞培養用24穴マイクロプレートに、ウシ胎児血清加Minimum Essential Mediumを用いて細胞培養を行い、モノレイヤーを形成させた。各菌を3時間感染させた後にgentamicin(200ug/ml)で2時間処理し、非侵入菌を殺菌した。1%Triton-Xで細胞処理後、寒天培地上にコンラージをして細胞内侵入菌をカウントし、細胞内侵入菌を定量した(gentamicin killing assay)。さらにMDCK細胞をフィルターチャンバー上でモノレイヤーを作成し、細胞内侵入性を評価した。その結果、侵入率は、P.aeruginosa PAO1 0.08%、CA-MRSA 0.29%であり、CA-MRSAで細胞侵入率が有意に高いことが判明した。CA-MRSAの病原性は、PVLなどの関与の他に細胞への高い侵入性が関与している可能性が示唆され、これはH1N1に続発する肺炎の病態解析と治療戦略を検討する上で大きな意義がある。
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Research Products
(1 results)