2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規腫瘍マーカー:クラスリン重鎖の、各種がん組織診断および血清診断への応用
Project/Area Number |
22590518
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清宮 正徳 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (20554265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164739)
松下 一之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90344994)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | クラスリン重鎖 / 原発性肝細胞癌 / 食道癌 / 食道上皮内腫瘍 / 腫瘍マーカー / 免疫組織化学染色 / 病理組織診断 |
Research Abstract |
原発性肝細胞癌の病理組織診断における腫瘍マーカーとして有用であることが判明した蛋白質、Clathrin heavy chain(以下CHC)は、これまでの研究で、多くの種類の癌の組織中で強く発現していることが判明している。本研究では、特に病理診断の困難な食道癌における組織診断への有用性について検討した。食道上皮内腫瘍には、異型はあるが進行癌には進展し難い低異型度上皮内腫瘍(LIN)と、進行癌に進展する可能性の高い高異型度上皮内腫瘍(HIN, 上皮内がんに相当)があり、両者を鑑別することは大変重要である。我々は千葉大学医学部附属病院で外科的切除された進行食道癌および食道上皮内腫瘍についてCHCの免疫組織化学染色を行い、染色性を比較した。その結果、CHC蛋白の染色性は、炎症などの良性病変およびLINに比べ、HINおよび進行食道癌で強く発現していることが確認され、その感度および特異度は73%および96%と高い正診率を示した。さらに、病理診断が困難と考えられる微小な針生検組織においても検討した結果、71%の症例で強い発現が認められた。以上の成績より、CHCの免疫組織化学染色は、食道上皮内腫瘍の良・悪性の鑑別に有用である可能性が示唆された。また、癌患者ではCHCが血中に出現する可能性があることから、血清中のCHCの検出を行った。血清中CHC検出のための酵素免疫分析法(ELISA)を開発した上で、各種癌患者血清と健常者血清中CHC蛋白量を検出したが、癌患者血清と健常者血清中のCHC蛋白量に有意な差は認められなかった。次に、血液中に存在するCHCの自己抗体の検出を試みた。その結果、血清中抗CHC抗体量は、健常人および肝硬変患者に比べ、原発性肝細胞癌患者で明らかな高値傾向を示した。したがって血清中抗CHC抗体の測定は、新たな原発性肝細胞癌のマーカーと成りえる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|