2010 Fiscal Year Annual Research Report
データマイニング等の手法を用いた急性心筋梗塞患者のリスク評価と予後予測
Project/Area Number |
22590590
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松井 邦彦 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80314201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 淳 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (50363528)
小川 久雄 熊本大学, 医学薬学研究部, 教授 (50177135)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 予後予測 / データマイニング |
Research Abstract |
本年度は、研究プロトコル作成、手順の決定の後、データマイニングの手法についての検討を行った。 患者を無作為にほぼ同数の二群に分け、一群で予測を立て、もう片方の群でその妥当性を検証した。Recursive partitioning analysis methodを用いて、心筋梗塞発症後30日における死亡率を予測するモデルを、最初の一群より作った。これは数学的な式を含まずに、予測因子とアウトカムの関連を示していくものである。アウトカムに対してより均一な群となるように、非対称的な2群に繰り返し分けていく。予測因子として分類に使われた因子について、最初の分類に使われた因子は、選択された予測因子の中で最も似通った2群に分類するものである。 この予測モデルを作るために、本研究ではCART software (version 6.0, Salford Systems, CA)を用いて、入院時に収集される臨床上重要と考えられる15個の因子を使って、最初の群で予測モデルを作った。これらは、患者の背景因子、発症から入院までの時間、既往歴、身体および心電図所見、最初の検査結果等である。10-fold cross validationを行い、モデルの予測能力の評価を行った。誤分類した場合のコストは14.4と設定した。これは、全対象の30日死亡率のオッズをもとに算出した。最後に、最初に群から作られた予測モデルの結果を、もう一方の群にあてはめて、妥当性の検証を行った。さらに、それぞれの点における、30日後死亡率の比較を行った。 次に、それぞれの患者において、経皮冠動脈形成術やステント留置術などの侵襲的な治療が行われる可能性の評価を、傾向スコア(Propensity score)を算出によりおこなった。傾向スコアは、ロジスティック回帰分析を用いて、基準となる入院中にこれらの治療が行われる可能性を、上記の予測モデルと同じ因子によって算出した。 さらに、予測モデルのそれぞれの最終節(それ以上分類されない点)を30日後の死亡率について、高、中、および低の3つに分類した。その上で、これらの群それぞれで、経皮冠動脈形成術などの侵襲的な治療についての傾向スコアについて、補正を行い、侵襲的な治療の効果が行われた群と行われなかった群での死亡率を比較した。
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