2011 Fiscal Year Annual Research Report
食行動、身体活動、社会心理要因とメタボリックシンドローム発症に関するコホート研究
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22590625
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
木山 昌彦 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康度測定部, 部長 (10450925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90450923)
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Keywords | 食行動 / 肥満 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム / 朝食欠食 |
Research Abstract |
本年度は、食行動の変化とメタボリックシンドローム及びその構成因子との関連についての縦断研究について研究を行い、第70回公衆衛生学会において発表した。具体的には、2004年並び2008~2009年に、秋田県I町と大阪府Y市M地区の循環器検診を受診した30~69歳の男女1301名(男性398名、女性903名)を対象とした縦断研究により、朝食欠食と約5年後の体重変化量との関連を解析した。その際、睡眠時間が朝食欠食と体重変化との間に影響を及ぼしているかどうかについても解析を行った。その結果、朝食欠食の男性34名(9%)、女性59名(6%)、就寝前摂食の男性139名(35%)、女性124名(14%)が認められた。朝食欠食並びに就寝前摂食と約5年後の体重変化を分析した結果、男性では朝食欠食の有無で多変量調整平均体重変化量に有意差が認められた(しない:-0.4kg、する:+2.0kg、p<0.01)。女性における朝食欠食(しない:-0.7kg、する:-0.6kg)、並びに就寝前摂食(男性しない:-0.17kg、男性する:+0.04kg、女性しない:-0.7kg、女性する:-0.4kg)について有意差は見られなかった。男性の朝食欠食と体重増加との関連は、睡眠時間が短いほど強く、≦6時間群では「しない」が+0.14kgに対して「する」が+3.5kg(p=0.06)、6~8時間群では「しない」が+1.3kgに対して「する」が+3.2kg(p=0.02)であったが、>8時間群では有意差は認められなかった(しない:-1.60kg、する:-0.02kg、p=0.55)。また、朝食欠食と睡眠時間との間には有意な相互作用が認められた(p=0.02)。本研究の結果から、睡眠時間が8時間以内の男性において、朝食欠食が体重増加につながる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、食行動の変化については解析していないが、本研究の特徴でもある、縦断的に食行動とメタボリックシンドロームの構成因子との関連について解析を行うことはできた。さらに、睡眠との相互作用についても確認することができたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、平成24年度は、食行動とメタボリックシンドローム並びにその構成因子との関連に関わる社会心理要因の探索に着目し解析を進める予定である。また、平成23年度の解析において睡眠時間等他の生活習慣が、食行動とメタボリックシンドローム並びにその構成因子との関連に影響を及ぼしている可能性がみられたことから、身体活動、睡眠等の生活習慣との関連についても、本年度も引き続き考慮して解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)