2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA障害の修復機構をマーカーとした新しいインターフェロン治療の開発
Project/Area Number |
22590722
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大越 章吾 昭和大学, 医学部, 講師 (70231199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山際 訓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10419327)
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
矢野 雅彦 昭和大学, 医学部, 助教 (70529693)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肝癌 / インターフェロン / HBV / p21 / 細胞内局在 / 発がん抑制 / 分子機序 |
Research Abstract |
本研究は、臨床使用されているインターフェロン(IFN)のなかで、肝癌を最も強く予防できる可能性が明らかになってきたIFNβ(ベータ)の発癌防御機構を解析し、実効性の高い予防医療を確立することを目的とした。我々は以前,インターフェロン(IFN)-βが細胞増殖やDNA合成を抑制することで,HBx誘導性肝発癌を制御することを示した(J Hepatol. 2008).我々はさらに代表的ながん抑制遺伝子であるcyclin-dependent kinase(CDK) inhibitor(p21)の発現異常が、肝がん発症とその予防の鍵を握る遺伝子である可能性をつきとめた。興味深いことに、癌抑止遺伝子であるp21は肝がんの発症過程においてその発現が亢進し、IFN-βによる肝がん予防に際しては逆に減少しており、あたかも発癌促進的に働いていた。そこで我々はp21の細胞内局在と細胞増殖の関係に着目して解析したところ、p21はHBxの作用によって本来の癌抑制作用を発揮する核内から細胞質に局在の変化が起きており、それによって細胞増殖を促進していることが示された。驚くべきことにIFN-βはp21の細胞内局在を核優位な局在に変化させることによって、本来の細胞増殖抑制作用を回復させて、肝発癌予防をすることが判明した。(Liver International 2013, In press)。これに着想を得て、肝がん細胞をまずIFN-βで処理しp21を核内優位の局在に変えておくと、シスプラチンなどの抗がん剤の効果が顕著に増強することが見出された。このように、本研究によって、B型肝炎ウイルスによってもたらされる肝細胞内でのp21の発現異常が,最終的に肝発癌を誘発する1つの気候であると考えられた.またIFN-βは,この様な分子機構の抑制によって発癌を予防することが示唆され,臨床応用への道筋が開かれたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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