2012 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変における胆管破壊機序の解明とその治療基盤の構築
Project/Area Number |
22590739
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下田 慎治 九州大学, 大学病院, 講師 (30279319)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / モデルマウス / NK細胞 / 胆管破壊 |
Research Abstract |
(目的)原発性胆汁性肝硬変(PBC)は抗ミトコンドリア抗体の出現と肝内胆管細胞の免疫学的な傷害が病変の首座と考えられている。我々はNK細胞が自己胆管細胞を破壊することを報告してきた。そこで実際の生体内でのNK細胞の役割をPBCモデルマウスで解析することとした。(方法)PBCモデルマウスとして、既報のとおり2OA-BSAをB6マウスに定期的に免疫し作成した。モデル作成時NK1.1抗体を継続的に投与してNK/NKT細胞を除去する群と、NK/NKT細胞を除去しない群で比較検討した。6週毎に血清と脾臓リンパ球を採取し、最終的には24週で胆管炎の有無を病理学的に検討した。ミトコンドリア抗体対応抗原の代表的なPDC-E2、OGDC-E2、BCOADC-E2タンパクを用いて、抗ミトコンドリア抗体の産生をELISAで(MIT3-ELISA)、PDC-E2の主要エピトープを網羅する形で計8種類の合成ペプチドを用いて脾臓T細胞の産生するIFN-gをELISPOTで検討した。(結果) 6週、12週というPBC誘導初期において、NK/NKT細胞を除去した群は除去しなかった群と比較して抗体産生は低下していた。18週、24週というPBC病態完成期では、両群の抗体、IFN-g産生に差を認めなくなっていた。24週での肝臓は両群ともに胆管炎は軽微であり差を認めなかった。また、6週と12週では両群とも門脈の炎症、実質の炎症、胆管傷害、肉芽腫、胆管炎ははっきりせず、病理学的な比較は困難であった。(考察)NK/NKT細胞はPBCの病初期に抗体産生とT細胞反応性といった獲得免疫系を亢進させ病態に積極的に関与している可能性が示唆された。その一方で獲得免疫が完成された後にはNK/NKT細胞は病態に関与していない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)