2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590799
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Research Institution | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
Principal Investigator |
李 梅花 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (60443496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 正司 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80359273)
鄭 燦 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (50443495)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 慢性心不全 / 迷走神経刺激 / 心血管新生 / 心臓リモデリング |
Research Abstract |
これまでの研究で、迷走神経刺激による急性心筋梗塞ラットでの著明な抗不整脈効果や、慢性心不全ラットでの長期生存率の改善作用を報告した。迷走神経刺激による治療機序として、心負荷の軽減以外に、抗アポトーシス・抗炎症作用や心血管新生が関与している可能性が推測されている。 本研究では、急性心筋梗塞・心不全の新しい治療法として「迷走神経刺激による心血管再生療法」を確立するために、心筋梗塞急性期の迷走神経刺激が心臓内在性心筋幹/前躯細胞の増殖・分化誘導に及ぼす影響および抗炎症・抗アポトーシス作用を検討する。また、培養心筋幹細胞を用いて、アセチルコリン(ACh)が心筋幹細胞の増殖・分化誘導に及ぼす影響や抗アポトーシス作用等を検討することによって、迷走神経刺激による治療効果と心血管再生との関係を明確に評価する。 本年度の研究では、麻酔下に左冠状動脈を結紮して作成した急性心筋梗塞ラットに4週間の迷走神経刺激治療を行い、急性心筋梗塞後早期からの迷走神経刺激治療が、致死性不整脈を抑制して24時間の生存率を有意に改善することを示した。さらに、急性心筋梗塞後早期からの迷走神経刺激治療は、心筋繊維化の抑制、心筋梗塞領域の拡大の抑制により、著明な心臓リモデリング抑制効果・心機能改善効果を示した。 機序として、迷走神経刺激によって心臓内在性心筋幹/前駆細胞の増殖・分化及び血管新生が促進されることが関与する可能性が組織学的検討から推測された。また、迷走神経刺激による抗炎症・抗アポトーシス効果の関与も推測された。しかしながら、迷走神経刺激による心血管再生の機序については明らかになっていない。 今後、迷走神経刺激により神経終末で分泌されるAChが心筋幹/前駆細胞の増殖・分化に及ぼす影響を、培養心筋幹/前躯細胞を用いて検討することによって、迷走神経刺激による治療効果と心血管再生との関係を明確に評価できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)