2011 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限によるミトコンドリア機能制御機構の解明
Project/Area Number |
22590814
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新村 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70206332)
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Keywords | カロリー制限 / 老化 / sirtuin / シグナル伝達 / 心筋虚血 / ミトコンドリア / 電子伝達系 / 脱アセチル化 |
Research Abstract |
これまでに我々は、カロリー制限(CR)は特定のミトコンドリア電子伝達系蛋白を脱アセチル化修飾することにより虚血再灌流時の活性酸素種産出を軽減し、その結果、虚血心保護効果を発揮する可能性を明らかにした。これらミトコンドリア蛋白の脱アセチル化は、sirtuin familyによってもたらされている可能性が高いが、CR時にミトコンドリア機能修飾に寄与するsirtuinはいまだ同定できていない。 そこで我々はCR心における特異的sirtuinの役割を解明する目的で、心筋細胞特異的sirt1欠損マウス(CM sirt1 KO)を作製し、CRによる虚血心保護効果発現における心筋細胞sirt1の役割と、sirt1下流の分子メカニズム解明に取り組んだ。 Floxed shitlマウスとα-myosin heavy chain-Creマウスとの交配によりCM sirt1 KOを作成した。 Real-time PCRでは心臓のsirt1発現はCM sirt1 KOで対照マウス(Cont)の約50%であった。3ヶ月齢でContとCM sirt1 KOを2群に分け、食餌自由摂取飼育(AL)または-40%のCRを3か月間実施した。心エコーでは、3ヵ月齢、6ヵ月齢ともに、ContとCM sirt1 KO、それぞれAL群とCR群の4群間で左室サイズ、左室収縮能に差を認めなかった。各群マウスから心臓を摘出しLangendorff手技により灌流し、25分間完全虚血、60分間再灌流を順次作成した。Contでは、CRにより心筋虚血再灌流傷害軽減効果が誘導された。一方、CM sirt1 KO AL群ではCont AL群に比べ、虚血再灌流傷害の程度が高度で、CRによる心保護効果は誘導されなかった。以上の結果より、心筋細胞のsirt1は虚血再灌流傷害に対して保護的役割を担うこと、CRによる虚血心保護効果発現において必須であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでに1本の英文論文を発表できた。さらに研究内容の発展をめざして研究を続けているが、実験発展のための研究資金が充分集まらず、実験の進行に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかにした特異的なミトコンドリア電子伝達系複合体蛋白の脱アセチル化が、どのsirtuinによってもたらされたのかを解明し、特異的なsirtuin-activating compoundの開発につなげたい。また、ミトコンドリア電子伝達系複合体蛋白の脱アセチル化によって、どのような機序で虚血再灌流時の活性酸素種(ROS)産出が抑制されるのかを解明し、ミトコンドリアでのROS産出制御法開発への展開を図りたい。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Caloric restriction primes mitochondria for ischemic stress by deacetylating specific mitochondrial proteins of the electron transport chain2012
Author(s)
Shinmura K, Tamaki K, Sano M, Nakashima-Kamimura N, Wolf AM, Amo T, Ota S, Katsmnata Y, Fukuda K, Ishiwata K, Suematsu M, Adachi T
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Journal Title
Circulation Research
Volume: 109
Pages: 396-406
Peer Reviewed
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