2012 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限によるミトコンドリア機能制御機構の解明
Project/Area Number |
22590814
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新村 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70206332)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | カロリー制限 / 心保護 / sirtuin / 心筋虚血 / 再灌流傷害 / 遺伝子発現 / 補体 |
Research Abstract |
これまでの研究結果から、カロリー制限(CR)による虚血心保護効果は、sirtuin familyによってもたらされている可能性が高い。しかし、CRによる心保護効果発現に必須な役割を担う特異的sirtuinは同定できていない。そこで我々はCR心における個々のsirtuinの役割を解明する目的で、心筋細胞特異的Sirt1欠損マウス(CM-Sirt1 KO)をまず作製し、CRによる虚血心保護効果発現における心筋細胞Sirt1の役割と、Sirt1下流の分子メカニズム解明に取り組んだ。 αMHCプロモーターを用いてCM-Sirt1 KOを作製した。CM-sirt1 KOと対照となる野生型マウス(Wt)を2群に分け、食事自由摂取(AL)または -40%CRで 3カ月間飼育した。各群のマウスから摘出した心臓をランゲンドルフ手技で灌流し、虚血再灌流傷害の程度を比較した。心臓における遺伝子発現をDNAマイクロアレイで解析し、特定の遺伝子は RT-PCRとWestern immunoblot、免疫染色でその発現変化を確認した。 Wtでは CRにより虚血再灌流傷害は有意に軽減した。一方、CM-Sirt1 KOではCRによる心保護効果は観察されなかった。心臓における補体C3の発現は、CRによりSirt1依存的に低下していた。虚血再灌流心におけるC3dの蓄積の程度は、心筋梗塞の大きさと相関した。Wtでは 虚血再灌流後のC3dの心筋への蓄積がCRで軽減したが、CM-Sirt1 KOではCRによるC3d蓄積軽減効果は見られなかった。 本研究により心筋細胞における Sirt1が CRによる虚血心保護効果発現には必須であることが明らかにされた。CRによるSirt1依存的な心保護効果発現の機序の一つとして、本研究結果からSirt1による心臓補体系制御機構の存在が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|