2010 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化関連因子LTAに関連してマクロファージ泡沫化に関わるマイクロRNAの同定
Project/Area Number |
22590827
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂田 泰彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90379206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂 真一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40573085)
中谷 大作 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (60444535)
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Keywords | マクロファージ / 動脈硬化 / マイクロRNA / リンホトキシンα |
Research Abstract |
心筋梗塞の発症規定遺伝子として我々が報告し、動脈硬化関連因子として注目されているリンホトキシンα(LTA)が実際にはどの様に動脈硬化進展に寄与するのかは明らかではない。しかしながらLTAの発現が冠動脈粥状硬化層のマクロファージに局在することから、LTAがマクロファージの泡沫細胞化を介して冠動脈硬化の進展、粥腫の破裂、ひいては心筋梗塞の発症に寄与していると考えられる。本年度は近年炎症との関連が示されて注目を集めているMicroRNAがしTAによるマクロファージの成熟および泡沫化に関与するとの仮説をたて、その検証を行った。まずはじめにLTAにより実際に誘導されるMicroRNAの存在をマイクロアレイを用いて検証を開始した。培養系ではTHP1単球細胞をphorbcl 12-myristate 13 acetate(PMA)にて刺激すると培養皿に付着してマクロファージへの分化が誘導されるが、ここに酸化LDL(oxLDL)を加えると、マクロファージへと分化したTHP1細胞はoxLDしを取り込んで泡沫化する。このマクロファージの泡沫化は動脈硬化性プラークの形成においてきわめて重要な役割を果たすが、我々はこのマクロファージの泡沫化にMicroRNAが重要な役割を果たすと考えた。そこでPMAによりマクロファージに分化したTHP1細胞にLTAを投与してMicroRNAの発現の変化を網羅的に解析する。具体的にはPMA刺激によりマクロファージ化したTHP1細胞にLTA(10ng/ml)存在下に37℃で2時間培養を行ったLTA投与THP1細胞と、対照(LTA非投与)THP1細胞においてmirVana TM microRNA抽出キット、Megaplex^<TM> RT Reactionsキット供にApplied Biosystems社)を用いてMicroRNAの抽出と逆転写を行い、これまでに報告された約700種類のMicroRNAをほぼすべてカバーするTaqMan^(R) MicroRNA Array (Applied Biosystems社)を用いてMicroRNAのプロファイリングを行い比較検討を行った。その結果、このマイクロアレイを用いた網羅的なMiRNAプロファイリングにより、マクロファージへ分化したTHP1細胞においてLTAにより発現の影響を受けるMicroRNA群を複数検出したが、これらは必ずしも形態学的表現型に関連しないことも明らかとなり、現在二次検証へすすめるため更なる検証を行っている。
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