2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590887
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 武徳 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10452195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 彰一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10362253)
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脂肪 / 低血清培養法 / 抗体産生抑制 |
Research Abstract |
骨髄由来間葉系幹細胞(MSC=mesenchymal stem cell)が免疫抑制作用を有することがあることが明らかとなり、近年骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)に対する細胞治療として臨床応用されている。申請者らは脂肪から高い増殖能を有するMSCを選択的に採取する方法(低血清培養法)を樹立し、低血清培養脂肪由来MSCの免疫抑制効果について、様々な実験を行い検討した。まずブタ赤血球をラットに投与した異種移植モデルを作成し、低血清培養脂肪由来MSCを投与することにより抗体産生を抑制できるかどうかについて検討した。ブタ赤血球をラットに投与すると著明なIgGの産生が起こるが、MSC静脈投与によりIgG産生を有意に抑制した。しかし、MSCの腹腔内投与では抗体産生抑制効果は認めなかった。また、IgM産生については有意な抑制効果は認めなかった。次に、in vitroの系において、MSCの異種抗体産生抑制機序を明らかにするために検討を行った。リンパ球をPHAで刺激するとTリンパ球が増殖するが、MSCとTリンパ球を共培養するとPHA刺激してもTリンパ球の増殖が強力に抑制される。リンパ球をIgMで刺激するとBリンパ球が増殖するが、MSCと共培養しても増殖抑制効果は認めなかった。以上のことから、異種抗原に対する抗体産生抑制の機序はBリンパ球に対する直接の効果ではなく、Tリンパ球を介した効果であることが示唆された。次に、ブレオマイシン投与強皮症モデルマウスを用いて、低血清培養脂肪由来MSCおよび高血清培養脂肪由来MSCを静脈内投与することにより、自己抗体の産生抑制や皮膚肥厚の軽減などについて検討した。その結果、良好な治療効果が得られており、現在更に詳細を解析中である。
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Research Products
(29 results)