2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590887
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 武徳 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10452195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10362253)
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
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Keywords | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 低血清培養 / 抗糸球体基底膜抗体腎炎 / 強皮症 / M2マクロファージ |
Research Abstract |
我々は脂肪から高い増殖能を有するMSCを選択的に採取する方法(低血清培養法)を樹立し、脂肪由来MSCがより強い免疫抑制作用を有することを見出している。脂肪由来MSCを用いて臓器移植後の拒絶反応や自己免疫疾患(膠原病、糸球体腎炎など)に対する新たな治療法を確立し、臨床応用するために研究を進めている。これまでに脂肪由来MSCとTリンパ球を共培養する系において、低血清培養脂肪由来MSCには強力なTリンパ球増殖抑制作用があることが明らかとなっている。23年度は、抗糸球体基底膜抗体腎炎(抗GBM抗体腎炎)モデルラットを作成し、低血清培養脂肪由来MSCを静脈内投与することで腎障害の改善効果があるかどうかにつき検討した。その結果、低血清培養脂肪由来MSC投与により腎機能や蛋白尿の改善を認め、組織学的にも腎糸球体の半月体形成率の低下も認めた。通常の高血清(10~20%FBS)で培養した脂肪由来MSCと治療効果を比較したところ、低血清培養脂肪由来MSC投与群の方が有意に腎機能、蛋白尿および組織学的改善効果が高かった。更に、マクロファージに着目し、腎組織の免疫染色を行なったところ、低血清培養脂肪由来MSC投与群では高血清培養脂肪由来MSC投与群に比べ、M2マクロファージが多く、逆にM1マクロファージが少ないことが明らかとなった。In vitroにおいても、低血清培養脂肪由来MSCとマクロファージを共培養した後FACS解析したところ、低血清培養脂肪由来MSCの分泌する何らかの因子によりM1マクロファージからM2マクロファージへのクラススイッチが起こることが明らかとなった。脂肪由来MSCが腎炎を改善させる機序として、炎症性のM1マクロファージから抗炎症性のM2マクロファージへの変換を介して炎症を制御していることが推測された。ブレオマイシン投与強皮症モデルマウスを用いても同様の実験を行い、低血清培養脂肪由来MSC全身投与により抗核抗体の産生抑制および皮膚硬化の抑制を確認し、臨床応用に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低血清培養脂肪由来MSCは非常に増殖能力が高く、腎疾患や膠原病モデル動物に対する治療実験が順調に実施できており、徐々に治療効果機序の解明も進んできている。
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Strategy for Future Research Activity |
低血清培養脂肪由来MSCの腎炎や膠原病に対する治療効果は確認できており、安全性についても現在動物実験を行なっている。今のところ安全性に問題はなく、臨床応用に向けて準備を進めている段階である。GMP基準の培養液を使用する等、実際の臨床に耐えうる培養環境の整備も着々と進んでおり、難治性膠原病に対する脂肪由来MSC治療の臨床試験に向けてプロトコール作成も行なっていく予定である。
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Research Products
(24 results)