2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける腎臓脂肪連関の解明
Project/Area Number |
22590898
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
徳山 博文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80164937)
脇野 修 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50265823)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 肥満 / アルドステロン / Rhoキナーゼ / 脂肪組織 |
Research Abstract |
肥満に伴う腎障害の発症進展における腹部脂肪組織除去の有用性を検討した.6週齢のC57BL/6Jマウスを3群に分け、2群に高脂肪食(60kcal%脂肪食)、1群に低脂肪食(10kcal%脂肪食)を与え12週間飼育した.高脂肪食群の1群には10週目で腹部脂肪組織除去(R群)を行った.高脂肪食群では低脂肪食群に比し著しい肥満を認めた.尿蛋白量は高脂肪食群で有意に増加したが、R群では著明に抑制された.高脂肪食群では血中アルドステロン(Ald)濃度は上昇せず、腎組織Aldは高脂肪食群で著明に増加し、腎組織では高脂肪食群において糸球体肥大、炎症細胞の浸潤など組織学的変化がみられ、Rhoキナーゼの活性化、炎症性ケモカイン(TNF-α、MCP-1、PDGF-B)の誘導を認めたが、R群では腎組織Aldの増加がみられず、炎症性ケモカインの誘導が抑制され、腎組織変化が著明に改善された.肥満関連腎症において腹部脂肪組織除去の有用性が示唆された.肥満関連腎症では血中Ald非依存性、組織Ald依存性に腎組織炎症性ケモカインの誘導がみられ、腹部脂肪組織除去がこれを抑制し、肥満関連腎症を改善することを明らかにした.2011年度、脂肪組織特異的Rhoキナーゼdominant negativeマウス(高脂肪食を与えても腹部脂肪が増加せず、肥満を来さないマウス)を用い、腎臓における炎症性ケモカインの誘導、腎組織変化を観察し、メタボリックシンドロームにおける脂肪腎臓連関の機序を解明する.
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Research Products
(5 results)