2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける腎臓脂肪連関の解明
Project/Area Number |
22590898
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
徳山 博文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇野 修 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50265823)
林 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80164937)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 肥満 / ミネラルコルチコイド受容体 / Rhoキナーゼ / 脂肪組織 / 脂肪腎臓連関 / 尿細管細胞肥大 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症など、メタボリックシンドローム発症後に腎臓組織学所見の変化がみられることは多くの研究で確認され、様々な治療法が試されてきた。しかし、それら治療法は十分ではなく、末期腎不全に進行する例も多い。メタボリックシンドローム発症前には腎臓組織学的変化はまだ微小であるのか。初期段階での治療介入が有効なのではないか。腹部脂肪組織貯留は、肥満におけるインスリン抵抗性に関与することが報告されている。しかし、この腹部脂肪組織貯留と肥満関連腎症の連関については不明であったが、我々はこれまで、肥満の腎臓組織内において、ミネラルコルチコイド受容体/Rho/Rhoキナーゼ経路が活性化し、炎症性ケモカイン・活性酸素の誘導がなされ腎臓組織学的障害を引き起こすこと、また、貯留腹部脂肪内において誘導された炎症性ケモカイン・活性酸素の全身循環が腎症発症、特に上皮細胞障害(podocytopathy)に関与することを明らかにしてきた。さらに、今年度の我々の研究では、糖尿病発症前の肥満・インスリン抵抗性を呈するごく初期にすでに、腎臓組織学的変化・腎臓組織内の活性酸素、炎症性サイトカインの誘導がみられることが明らかになった。また、動物実験から、糖尿病を発症する前段階の肥満において、すでに腎臓組織線維化が観察されることが明らかになった。従来肥満関連腎症の組織型は、糸球体肥大・巣状糸球体硬化症であったが、それにとどまらず、糸球体・尿細管細胞内脂肪沈着、尿細管細胞肥大、尿細管細胞空砲化がみられた。この結果は、ヒトでの検討においても、肥満患者(BMI>25)は非肥満患者に比較し、糸球体肥大・尿細管細胞肥大を認めた。これらの知見は全く新しい知見であり、メタボリックシンドローム発症の前段階から、早期に治療介入する必要を示唆する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)