2011 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1関連脊髄症(HAM)の脊髄再生治療法開発に関する研究
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22590943
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山野 嘉久 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80445882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 誌野 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20360901)
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Keywords | HAM / HTLV-1 / 脂肪組織由来体性幹細胞 / 脊髄再生 |
Research Abstract |
平成22年度に、GFP発現ラット(系統:SD,日本SLC)にHTLV-1を感染させ、脂肪組織から体性幹細胞(GFP陽性)を分離し、HTLV-1非感染GFP陰性ラットに移植した。今年度は、そのラットを感染後12ヶ月後に解剖し、肉眼的には明らかなGFP陽性細胞由来の腫瘍性病変の発生は認められなかった。移植されたHTLV-1非感染GFP陰性ラットにおけるGFP陽性細胞の有無について、各臓器でのPCRおよび組織学的な検討を実施している。また、平成22年度にHAMモデルラットを従来の方法(Am J Pathol 2006)で作製したが、発症に約2年を要し、発症率も低かったため、新規のHAMモデルラット作製の試みとして、HTLV-1感染細胞を2週間毎に投与することによって、発症率の向上と発症期間の短縮が得られないかを検討する実験に着手した。さらに、生命倫理委員会の承認を得た植うえで、ヒト脂肪組織から体性幹細胞(ASC)を分離して、HTLV-1受容体であるglucose transporter-1(Glut-1)(Manel N.et al,Cell 2003),heparan sulfate proteoglycans(HSPGs)(Jones KS et al.J Virol 2005),neuropilin-1(Ghez D et al,J Virol 2006)の細胞表面における発現レベルを、他の付着細胞株(HEK293)におけるこれらの分子の発現レベルと、フローサイトメトリー法にて比較解析したところ、Glut-1の発現レベルがやや低い結果が得られた。また、ASCのHTLV-1感染に対する感受性について解析する為に、in vitroでの感染実験系を確立した。HTLV-1関連脊髄症(HAM)患者由来の感染T細胞株培養上清の濃縮液を用いると、in vitroで感染が成立することを明らかにした。本実験系を用いて、ヒト由来のPBMC、Jurkat細胞株とASCのHTLV-1感染に対する感受性を比較したところ、ヒトASCに対するHTLV-1感染感受性は他の細胞群と比較して有意な差は認められなかった。現在、症例数を増やして検討を進めており、また、細胞分化誘導によるHTLV-1感染感受性の変化についても検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幹細胞に関するHTLV-1の感染性といった、安全性に関する情報は順調に研究が進展しているが、HAMモデルラットを用いた幹細胞移植による脊髄再生の有効性に関する研究は、モデルラットの作成に時間がかかり、また発症率も低いことが、研究が遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
HTLV-1の細胞への感染性に関する新規実験系を確立したため、その手法を用いて、ヒト由来の体性幹細胞のみならず、iPS細胞、その他細胞の、HTLV-1感染感受性に関する検討を実施する。また、細胞の分化段階におけるHTLV-1感染感受性の変化の有無ついても検討する。さらに、新規HAMモデルラット作成の試みとして、HTLV-1感染細胞の接種方法を工夫することによって発症期間や発症率の改善の有無について検討する。
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Research Products
(31 results)