2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の深部電極治療の作用機序及びターゲット決定に関する総合的検討
Project/Area Number |
22590954
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺尾 安生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20343139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花島 律子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80396738)
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Keywords | 深部電極治療 / パーキンソン病 / 大脳基底核 / 眼球運動 / 抑制 / 視線解析 / 時間認知 |
Research Abstract |
今年度は深部電極治療(DBS)により眼球運動課題・手指の運動課題の施行能力がどのように改善するか検討するため、必要となる眼球運動課題・手指の運動課題の作成・解析方法の確立を行った。眼球運動課題については、基本的な眼球運動課題の他、被験者に一定時間提示し記憶させた画像をあとで思い出させて描かせる課題を作成した。記録のトレースから視線のパターンを抽出し、各サッカードの潜時、速度、振幅、サッカード自体の頻度、随意的なサッカードの抑制機能など眼球運動のパラメータについて解析を行うための方法を確立した。眼球運動、特に視線の自発的な動きは、大脳基底核の機能と密接に結びついていると考えられる。従ってこれらの解析は、眼球運動のDBSによる改善が、実際の生活でどのような効果があるかを見る上でも重要であると考えられる。手指の運動課題については、運動準備をみるためのprecued choice reaction timeの他、時間認知の課題を追加作成した。具体的にはスピーカーより提示される様々な音を聞き、例えば、第1提示音に対する第2提示音の長短を判断する、もしくは提示音と同じ長さの時間を再現する、あるいは一定の頻度で提示される音に合わせてボタン押しをするなどの時間認知や再生に関する課題を作成し、解析手法を確立した。 これらの課題はパーキンソン病患者における運動の遅さ力弐内因性の時間感覚(internal clock)の遅れによるのか、それともinternal clockとは関係のない運動そのものの遅さによるのかを調べるためである。いずれも大脳基底核の機能を反映すると考えられるが、DBSがいずれの遅れを主として改善させるかを明らかにできると思われ、治療評価上も重要である。
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