2012 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子MafA・Pdx1を用いた糖尿病の新規治療法の開発
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22591022
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
西村 渉 国立国際医療研究センター研究所, 代謝疾患研究部, 室長 (00334433)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 発現制御 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 内分泌 / β細胞 / 膵臓 / 転写因子 |
Research Abstract |
[目的]2型糖尿病の病態の主要因である膵β細胞障害には、転写因子MafAの発現低下が関与している。そこで本研究計画では、in vivoでの膵β細胞におけるMafAの過剰発現による、膵β細胞障害の改善効果を明らかにした。 [方法]テトラサイクリン制御系システムを利用して、膵β細胞特異的にMafAを任意の時期に発現させることができるトランスジェニック(TG)マウスを作製し、その効果を解析した。 [結果]高グルコース濃度で長期培養したβ細胞株、ならびに糖尿病モデルマウスdb/dbの膵島では、それぞれ対照に比べMafAの発現は低下していたが、高脂肪食マウスの膵島では低下していなかった。ドキシサイクリンを投与したTGマウス膵臓において、TransgeneであるMycタグ付きMafAの膵β細胞特異的な蛋白発現を確認した。このシステムを利用して、以下に記載する、様々なレベルでβ細胞障害を認めるマウスの膵β細胞にMafAを発現させたところ、次のような結果を得た。MafAKOマウスにおいては、耐糖能異常が改善した。生後5週から13週齢まで高脂肪食を給餌したマウスでは、空腹時血糖の低下、耐糖能異常の改善を認めた。また、6~9週齢のdb/dbでは、空腹時血糖の低下傾向を認めた。以上より、生体の膵β細胞におけるMafAの発現が、膵β細胞の機能を改善し、糖尿病の治療的効果を生じうる事が示された。この改善効果の分子メカニズムを解明するため、MafA KOマウス膵島の遺伝子発現を網羅的に解析した。MafA KOマウス膵島では、ins1、ins2、slc2a2(Glut2)、slc30a8(ZnT8)、pcsk1、pcsk2、vdrの発現が低下しており、これらの分子を通じてβ細胞機能を改善している可能性が示唆された。一方、gck、kcnj11(Kir6.2)、abcc8(SUR1)の発現に変化は認められなかった。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Generation and Characterization of Pdx1-Gaussia luciferase mouse. (Diabetes. 61 Suppl1 : 2087-P, 2012).2012
Author(s)
Nishimura W, Kawaguchi M, Eto K, Nammo T, Udagawa H, Uebanso T, Hiramoto M, Goto M, Shimizu Y, Okamura T, Yasuda K.
Organizer
American Diabetes Assocation 72nd Scientific Sessions
Place of Presentation
Philadelphia, PA, USA
Year and Date
20120610,20120611
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[Presentation] Luminez法を用いた高度肥満症における減量手術前後の血清肥満関連項目の解析.2012
Author(s)
井花庸子, 宇田川陽秀, 上番増喬, 平本正樹, 南茂隆生, 西村渉, 本田律子, 関洋介, 野田光彦, 笠間和典, 安田和基.
Organizer
第55回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2012-05-19
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