2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591052
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
岸 文雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40153077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
簗取 いずみ 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40454847)
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Keywords | 二価鉄 / ヘム / DMT1 |
Research Abstract |
鉄は、体内での量が過剰でも少なすぎても疾患を引き起こすことから、適正な量で調節することが重要である。しかし、ヒトは鉄の積極的な排出機構を持たず、吸収および老化赤血球からの再利用段階で制御しなければならない。そこで、本研究では唯一の外部からの鉄吸収部位である十二指腸での鉄イオンおよび、ヘムの吸収に特に注目し、それらの輸送体の局在を解析することによって、十二指腸での鉄代謝機構の解明を目的に研究を行った。二価鉄イオン輸送体DMT1のうち、特に十二指腸頂端膜に特異的に発現しているアイソフォームDMT1A-Iは、これまでの研究の結果より、N側細胞内領域内に頂端膜へのretention siganalが存在していることが予想された。そこで、この領域内に変異をもつ様々な変異株DMT1A-Iを作製したところ、16^<Leu>が特に重要なアミノ酸であることが明らかになった。今後は、DMT1A-Iが相互作用している分子を明らかにすることにより、十二指腸上皮細胞での二価鉄イオンの吸収メカニズムを明らかにする。 また、ヘム輸送体HCP1およびHRG-1について、mCherryまたはGFPで標識した分子を極性化細胞内で発現させたところ、HCP1は頂端膜にHRG-1は側底膜に発現することを明らかにした。このことより、HCP1が食餌中からの鉄の吸収に関与していることが示唆された。さらに内在性のヘム輸送体の局在および調節機構を明らかにしていく。
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