2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ滑膜線維芽細胞におけるヒストン修飾とDNAメチル化の解析
Project/Area Number |
22591083
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三村 俊英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30260491)
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Keywords | リウマチ学 / エピジェネティクス / 内科 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究においては、RA滑膜線維芽細胞を用いて、DNAメチル化やヒストン修飾による遺伝子発現制御の異常を解明し、病態の一端を明らかにするとともに、RAの新規治療の開発に結びつける第1歩となるような新しい情報を獲得することを目的としている。 平成22年度には、研究計画通りに、MMP蛋白群のヒストン修飾の変化が実際に遺伝子発現変化に関係するかどうかin vitroの系を用いて検討した。 具端的には、整形外科膝関節人工関節置換術症例(RA8例、OA9例)から本人のインフォームドコンセントの下にヒト滑膜線維芽細胞(SF)を収集し、それらのmatrix metaloproteinases(MMPs)の遺伝子発現、プロモーター領域のヒストンメチル化およびアセチル化の検討を行った。その結果、興味深いことにRA患者由来SFにおいては、MMP-1,3,9,13のプロモーター領域のヒストンメチル化の有意な上昇を認めた。ヒストンアセチル化においてはMMP-13のみがRAにおいて有意に上昇していた。これらMMPsの遺伝子発現は、安静時にはRAとOA間で有意差はなかったが、液性因子の刺激に拠って一部のMMPsで発現上昇が見られた。この刺激下における遺伝子発現上昇とヒストン修飾の変化に相関がある可能性があり、現在蛋白発現を含む詳細な検討を行っている。このことが、RAの病態に関与する可能性がある。さらに他の蛋白に関しても発現とヒストン修飾の関係を検討している。この解析は来年度にも一部が持ち越されると予想する。
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