2011 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ滑膜線維芽細胞におけるヒストン修飾とDNAメチル化の解析
Project/Area Number |
22591083
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三村 俊英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30260491)
|
Keywords | リウマチ学 / エピジェネティクス / 内科 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
申請者はヒストン修飾を中心として、関節リウマチ(RA)および変形性関節症(OA)患者滑膜線維芽細胞における変化が明らかな分子を見いだした。特に、RAに特徴的な関節破壊に強く関与することが知られている分子群の一部に、RAとOAで有意差をもってヒストンメチル化およびアセチル化に変化が見られた。特に興味深いのは、ある種の炎症性サイトカインをこの培養系に添加することによって、RA滑膜線維芽細胞にのみ蛋白産生が有意に増大するという変化を見出したことである。これは今まで全く知られていなかった現象であり、エピジェネティクスからの研究によって始めてその機序までを示すことが出来た。それが、現在明らかにした分子のヒストン修飾によって起るものか、それ以外の分子の介在をもって行われるものなのかは、今後明らかにする必要がある。それと伴に、これが本当にヒストン修飾の変化で起っているのかどうかもより詳細に示す必要があり、現在、RAおよびOA滑膜線維芽細胞に対してヒストン修飾を変化させる薬剤を投与することで、これら細胞の機能や表現形を変化させることが出来るかどうかを明らかに出来る様な実験を行っている。RA治療には現在幾つもの選択肢があるとはいえ、どれも治癒は寛解に直結するものではない。それは、RAの病因に迫る様な治療法が開発されていない空である。本研究の成果は、より病因の本体に迫ることが可能であり、新たな視点からのRA治療の道が開かれると期待出来る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データーはかなり揃って来ている。滑膜の採取数もほぼ予定通りである。現在論文にまとめる準備をしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチにおけるエピゲノムの関与を示すことが出来た。今後は、さらに機序の詳細、病態の本体にさらに迫ることが出来る様な方向に進める予定である。具体的には、MMPsにおける発現調節以外にも炎症性サイトカインやケモカインなどの制御に関与するエピゲノム変化を明らかにする。その一つとして、long non-coding RNAの関与を推測している。
|
Research Products
(28 results)